◎国連人権高等弁護官事務所(OHCHR)によると、ミャンマーの軍事政権は最大の都市ヤンゴンや第二の都市マンダレーなどで市民を少なくとも18人射殺したという。
2021年2月28日 AP通信/ミャンマー、マンダレー、バリケードと抗議者たち

国連人権高等弁護官事務所(OHCHR)によると、ミャンマーの軍事政権は最大の都市ヤンゴンや第二の都市マンダレーなどで市民を少なくとも18人射殺したという。

2月28日、治安部隊は軍事クーデターに抗議する市民を警棒、スタングレネード、実弾で攻撃し、約1,000人を逮捕した。OHCHRは声明で、少なくとも18人が死亡し30人が負傷したという信頼できる情報を持っていると述べた。

一連の抗議で1日の死亡者が10人を上回るのは初めて。ミャンマー国内の逮捕者情報を監視する政治犯支援協会は28日だけで約1,000人が逮捕された可能性があると報告した。

OHCHRのスポークスマン、ラヴィナ・シャムダサニ氏は、「私たちはミャンマーの抗議者に対する暴力の激化を強く非難し、軍に平和的な抗議者に対する武力の行使を直ちに停止するよう要請します」と述べた。

ラヴィナ・シャムダサニ氏:
「非暴力の平和的な抗議者に対する致命的な力の使用は、国際人権規範の下では決して正当化されません」

AP通信によると、2月27日に治安部隊に拘束された同社のジャーナリストの行方は分かっていないという。現地メディアのジャーナリストも複数拘束されたと伝えられているが、正確な数は不明。

ビルマ民主の声(DVB)は衛星放送、地上デジタル放送およびオンラインで各都市の情報を伝えており、現地時間28日午後5時の時点で19人の死亡を確認し、さらに死者は増える可能性があると報じた。

DVBはヤンゴンで5人、マンダレーで2人が射殺されたことを確認したと伝えている。また、ソーシャルメディアにはその情報に関連すると思われる遺体の写真が複数共有されていた。

南東部の都市ダウェイでは少なくとも5人が射殺された。目撃者は現地メディアの取材に対し、「28日の抗議は今までより規模が大きいです。私たちは軍には決して屈しないと決意しました」と述べた。

ヤンゴンでロイター通信の取材に応じた男性は、「軍が私たちを倒しても、私たちは立ち上がります。軍が私たちを攻撃するなら、私たちは守ります。私たちは軍には決してひざまずきません」と述べた。

別の抗議者はAFP通信に、「警察は私たちが到着した直後に銃撃を開始しました。彼らは何も言わずに発砲しました。何人かは負傷し、一部の抗議者は周辺の住宅に逃げ込みました」と語った。

2021年2月28日 AP通信/ミャンマー、マンダレー、治安部隊

AFP通信などによると、ヤンゴンやマンダレーなどの大都市以外の地域では現地メディアの公式情報が明らかに不足しており、正確な死亡者を確認することは困難だという。しかし、ソーシャルメディアには、抗議者が射殺された時の状況を説明する投稿と、それを証明する遺体の写真が複数示されていた

ヤンゴンの治安部隊は28日の午前中から催涙ガス、放水砲、実弾などで攻撃を開始し、アサルトライフルの薬きょうの写真がソーシャルメディアで共有された。

2月1日の軍事クーデターは、アウンサンスーチー氏らのこれまでの努力を破壊し、ミャンマーは軍事政権に逆戻りした。軍のミン・アウン・フライン司令官は昨年11月の議会選挙で与党国民民主連盟(NLD)が不正を働いたと主張しているが、国の選挙委員会はこの申し出を却下している。

ニューヨークに本部を置くヒューマン・ライツ・ウォッチのアジア副局長、フィル・ロバートソン氏は声明で、「世界はミャンマーの軍事政権の行動を監視しており、彼らに責任を負わせるだろう」と述べた。

フィル・ロバートソン アジア副局長:
「実弾は抗議を制御または分散させるために使用するべきではありません。実弾は生命を保護するか、重傷を防ぐ場合にのみ使用すべきです」

治安部隊は27日から抗議者に対する暴力を強化し、抗議を解散させるために先制攻撃を行うようになった。また、より多くの重武装した兵士が警察の取り締まりをバックアップし、抗議者にアサルトライフルを向けた。

政治犯支援協会によると、27日の時点で政治家を含む854人が起訴または秘密裁判で有罪判決を受けたという。

2月1日に拘束されたアウンサンスーチー氏は未登録のトランシーバーを所持した罪と、コロナウイルスの規則に違反した罪に問われており、3月1日から秘密裁判が始まると伝えられている。弁護士によると、スーチー氏とはまだ何も話せていないという。

2021年2月28日 AP通信/ミャンマー、マンダレー、抗議者たち
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