◎アウンサンスーチーは現金60万ドル(約6,500万円)と11kgの金の延べ棒を違法に受け取った罪で告発されたが、証拠は見つかっていない。
3月11日、ミャンマー軍は声明で、アウンサンスーチー氏は60万ドル(約6,500万円)の現金と11kgの金の延べ棒を違法に受け取ったと主張した。
軍のゾー・ミン・トゥン将軍は首都ネピドーで記者団に対し、「元ヤンゴン管区長のビュー・ミン・テインがスーチーに現金と金の延べ棒を渡したことを認めたが、証拠は見つからなかった」と述べた。
国民民主連盟(NLD)の議員は軍の主張を却下している。
NLDのエイ・マ・マ・ミョ議員はロイター通信の取材に対し、「軍は無実の若者を公の場で殺しながら政治家を誹謗中傷し、独裁体制を確立しようとしています」と述べた。
一方、国連のトーマス・アンドリュース特別報告者は国連人権理事会に、「軍は人道に対する罪を犯した」と述べた。
アンドリュース特別報告者は声明の中で、ミャンマーは殺人的で違法な政権によって支配されていると主張し、人権団体アムネスティ・インターナショナルが11日に発表した報告(大量虐殺)を引用した。また、2021年に1,100億円以上の収益を見込んでいる軍所有の石油ガス企業に制裁を科すよう求めた。
地元メディアおよびソーシャルメディアの報道によると、治安部隊は11日の抗議活動に対する取り締まりで少なくとも10人を射殺したという。ミャインで6人、最大都市ヤンゴン、第二の都市マンダレー、バゴー、タウングーでそれぞれ1人の死亡が確認されている。
治安部隊は2月末に取り締まりを強化し、催涙ガス、ゴム弾、放水砲、スタングレネード、そして実弾を使って平和的な抗議者を殴打し、これまでに少なくとも70人を殺害した。
国連安全保障理事会は10日の会合で軍事政権に対する非難声明を全会一致で可決し、最大限の抑制を求めた。
また、人権団体アムネスティ・インターナショナルは11日に発表した報告の中で、軍は戦闘兵器を使用し、体系的かつ意図的に市民を殺害していると非難した。
<アムネスティの報告>
「軍は致命的な戦術と武器を採用して平和的な全国の抗議者を殺害しています」
「取り締まりの映像を50以上チェックした結果、治安部隊は致命的な力の使用を増やし、計画的かつ体系的な戦略を実行していることが確認できました。文書化された(死亡を確認した)殺人の多くは処刑に相当するものです」
ヤンゴンの抗議で治安部隊に射殺された男性(25歳)の母親はAFP通信の取材に対し、「彼らは私の息子を残酷に処刑しました。軍が取り締まりを見直さない限り、平和は訪れないでしょう」と語った。
一方、ミャンマー軍のゾー・ミン・トゥン将軍は11日の記者会見で、治安部隊は最大限の抑制を行っていると述べ、「抗議者は暴力行為を速やかにやめなければならない」と主張した。