◎北西部ザカインのカレー地区に対する攻撃は夜明け前に始まったという。カレー地区の住民の大半は少数民族ゾミ(チン族)で構成されている。
2021年4月7日/ミャンマー、ヤンゴン、軍事政権に抗議する市民(AP通信)

4月7日、ミャンマーの治安部隊は自家製の狩猟用ライフルなどで武装した北西部の町を襲撃し、少なくとも民間人11人を殺害した。

ソーシャルメディアなどでニュースを発信するクホナムサング・バーミーズなどによると、北西部ザカインのカレー地区に対する攻撃は夜明け前に始まったという。カレー地区の住民の大半は少数民族ゾミ(チン族)で構成されている。

治安部隊はライフル、大口径の武器、手榴弾、ロケットランチャーなどでカレー地区の市民を攻撃したと伝えられている。ソーシャルメディアでも同様の投稿が複数共有されているが、写真や動画は添付されていない。

クホナムサング・バーミーズによると、カレー地区のカレミョと呼ばれている町でも多くの市民が負傷し、銃創を負った一部の市民は危険な状態にあるという。

ニュースサイトのミャンマーナウとエーヤワディー・ニュース・マガジンは、「死者の報告は午前中に集中していたが、午後に数件新たな情報が入り、少なくとも11人の遺体を確認した」と報じた。ミャンマーナウは遺体の写真をソーシャルメディアで発信している。

国内の逮捕者と死傷者を監視している政治囚人支援協会(AAPP)によると、一連の抗議活動の死亡者数は4月6日時点で581人に達し、約3,000人が逮捕、起訴または有罪判決を受けたという。

2021年4月7日/ミャンマー、ヤンゴン、中国に抗議する市民(AP通信)

2月1日の軍事クーデター以来、ほぼ全ての抗議活動は平和的に行われてきたが、治安部隊の取り締まりが激化した影響で、一部の市民はガソリン爆弾やスリングショットなどで武装し始めている。カレー地区の一部の市民は、致命傷を与える狩猟用ライフルを使用した。

ミャンマー国営放送(MRTV)は4月6日の放送の中で、カレー地区の武装勢力による攻撃で治安部隊に死傷者が出たと報じていた。

治安部隊は独自のゲリラ部隊を持つ少数民族に対する攻撃を強化しており、カチン州の少数民族カチン族の集落は空爆で深刻な被害を受けたと伝えられている。

MRTVは、「カレー地区の武装した抗議者たちは3月28日にも治安部隊に激しく抵抗し、兵士を死傷させた」と報じた。「抗議者たちは治安部隊以上の武器を使用し、兵士を1人か2人殺害しました...重武装した一部の抗議者は少なくとも兵士17人に重軽傷を負わせましたが、カレー市民軍も同等の死傷者を出しました」

軍事政権に対する抗議活動は最大都市ヤンゴンや第二の都市マンダレーなどで続いており、ソーシャルメディアの投稿によると、各地で治安部隊の銃撃が確認されたという。

ヤンゴンで抗議した一部の市民は中国の旗を燃やし、「恥を知れ!!」と書いたプラカードを持って中国製品のボイコットを呼びかけた。中国とロシアは安全保障理事会のミャンマーに対する強力な制裁を拒否しており、西側諸国から非難されている。

2021年4月7日/ミャンマー、ヤンゴン、中国の旗を燃やす市民(AP通信)
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