ミャンマー、5年ぶりに議会招集、軍が議席の9割掌握
2021年の軍事クーデター以降、議会は開かれておらず、今回の招集は軍事政権主導の総選挙を経て実現した。
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内戦下のミャンマーで16日、約5年ぶりに議会が招集された。2021年の軍事クーデター以降、議会は開かれておらず、今回の招集は軍事政権主導の総選挙を経て実現した。しかし、議席の大半を軍とその同盟勢力が占め、民主的な政治体制への回帰とは程遠い状況だと国内外から批判が出ている。
首都ネピドーで開かれた議会下院の初会合には民族衣装を身に着けた議員らが出席した。だが議会の構成を見ると、軍の影響力が圧倒的である。憲法では議席の25%が軍人に割り当てられ、さらに軍寄りの政党「連邦団結発展党(USDP)」が大多数の議席を獲得した結果、軍とその同盟勢力が議席の約9割を占める形となった。
下院議長には元将軍でUSDP党首が選出された。副議長にも軍関係者が就任し、議会の指導部も軍系勢力が掌握した。これにより、議会は形式上は民政機関として再開されたものの、実質的には軍政を支える機関になるとの見方が強い。
今回の議会招集は2025年末から今年初めにかけて段階的に実施された総選挙の結果に基づくものだ。しかしこの選挙では、アウンサンスーチー(Aung San Suu Kyi)氏率いる国民民主連盟(NLD)を含む主要野党の多くが参加できなかった。政党の解散や立候補の制限、治安上の理由による投票中止などが相次ぎ、選挙は自由でも公正でもないと国際社会から批判されている。
ミャンマーでは2021年2月、軍がクーデターを起こし、2020総選挙で圧勝したNLD政権を追放。スーチー氏を含む多くの政治家が拘束され、議会は開催されないまま軍が直接統治を続けてきた。クーデター後、国内では軍に対する武装抵抗や民族勢力との戦闘が拡大し、現在も内戦が続いている。
軍政トップのフライン(Min Aung Hlaing)総司令官は今回の選挙と議会再開を「民主主義への移行の一歩」と位置づけている。今後、議会は大統領の選出など新政権の発足に向けた手続きを進める見通しで、フライン氏が大統領に就任する可能性も指摘されている。
一方、民主派勢力や国外の批評家は新議会を軍政の正当性を装うための政治的演出にすぎないと批判している。主要野党が排除され、軍が圧倒的多数を握る状況では、議会が実質的な権力のチェック機能を果たすことは難しいとみられている。内戦や政治的混乱が続く中、ミャンマーの政治情勢は依然として不透明なままである。
