◎ミャンマーの少数民族カレン族のゲリラ部隊は、隣国タイの国境近くにあるミャンマー軍の基地を占領したと発表した。
2021年4月27日/ミャンマーとタイの国境近くのミャンマー軍キャンプ場(Transborder News/AP通信)

4月27日、ミャンマーの少数民族カレン族のゲリラ部隊は、隣国タイの国境近くにあるミャンマー軍の基地を占領したと発表した。

一連の戦闘は、東南アジア諸国連合(ASEAN)サミットの3日後に勃発した。カレン族は軍事政権と激しく対立する少数民族のひとつで、独自のゲリラ部隊を保有している。

カレン民族同盟(KNU)のスポークスマンとタイの高官によると、ミャンマー軍は基地の占領に対する報復攻撃として、カレン族の村を空爆したという。

ミャンマー軍のミン・アウン・フライン司令官は2月1日の軍事クーデターで政権を奪取し、昨年の議会選挙で大勝した国民民主連盟(NLD)の議員とアウンサンスーチー氏を拘束した。

ミャンマーの逮捕者と死亡者を追跡している政治犯支援協会(AAPP)によると、一連の弾圧で死亡した抗議者は700人以上にのぼり、数千人が拘束されたという。

KNUの外交部長、タドー・ソウ・タウニイ氏は声明で、「ゲリラ部隊は27日午前5時に軍の基地を攻撃し、焼き払った」と述べた。「死傷者の数はまだ把握できていません。私たちは軍事政権の基地を占領し、焼き払いました」

東部国境周辺を支配するKNUは、アウンサンスーチー氏とNLD高官の解放を求める抗議者たちと緊密に連携しており、ゲリラ軍はカレン民族解放軍と呼ばれている。

隣国タイから撮影されたビデオには、銃の発砲音と軍の施設と思われる建物から炎が上がっている様子が記録されていた。

2021年3月30日/ミャンマーとタイの国境近くのミャンマー軍キャンプ場(AP通信/Sakchai Lalit)

早朝の攻撃に参加したカレン民族同盟(KNU)第5旅団のパドウ・マン・マン氏は声明で、「ミャンマー軍は午後の早い時間にカチン族の村を空爆した」と述べた。「死傷者の有無は確認できていません。ミャンマー軍は戦闘に関わっていない市民を爆殺しようとする凶悪な戦争犯罪者です。国際社会はミン・アウン・フライン司令官に攻撃を停止するよう圧力をかけ続けてください」

タイのメーホンソン州のシシッチャイ・ジンダルアング州知事は27日の記者会見で、KNUのミャンマー軍基地の占領を認め、戦闘の流れ弾で州の女性1人が負傷したと述べた。「戦闘発生に伴い、国境近くの村の住民約450人が安全地帯に避難しました。その後、州当局者は、ミャンマー軍の空爆を目視で確認しています」

ミャンマー軍の戦闘機は3月27日以来、カレン族の村を何度も空爆しており、カレン民族解放軍は大規模な戦闘に備えて、この地域に大隊を配備したと伝えられている。

地元メディアになると、北部の少数民族カチン族のゲリラ部隊も軍の前哨基地を占領し、空爆の標的になったという。死傷者の有無は明らかにされていない。

都市の抗議者たちは、独自のゲリラ部隊を保有する少数民族に支援を求め、軍事政権に対抗する国民統一政府(NUG)は、いくつかの少数民族の代表を大臣に任命した。

一方、治安部隊は27日、最大都市ヤンゴンの抗議者たちに催涙ガス弾とゴム弾を叩き込み、ASEANサミットの共同声明をあっさり却下した。ASEANは「暴力の即時停止」を要求し、すべての当事者に最大限の抑制を促したが、インドネシアのジョコ・ウィドド首相などが要求したアウンサンスーチー氏らの釈放要求は省略された。

<ASEANサミット共同声明:ミャンマーの危機に関する5つの合意>
暴力の即時停止
・当事者間の対話
・ASEAN特別使節による調停
・ASEANを通じた人道援助の提供
・特別使節のミャンマーへの訪問

国営のニューライトオブミャンマー新聞は27日、ASEANサミットに関する軍事政権の声明を発表した。「ミャンマーの現在の最優先事項は地域の平和を回復することである。ASEAN首脳の建設的な提案は、現在の混乱が終息した後に検討する」

2021年4月27日/ミャンマー、最大都市ヤンゴンの抗議活動(AP通信)
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