ミャンマー軍政が数万人の受刑者を釈放、通常国会迫る
今回の恩赦は農家を称える祝日に合わせて行われ、2025~26年総選挙後に初めて開催される通常国会を前に政治的圧力や国際的批判への対応という意図があるとみられている。
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ミャンマーの軍事政権は2日、国会開会を目前に控え、数万人の受刑者を赦免した。今回の恩赦は農家を称える祝日に合わせて行われ、2025~26年総選挙後に初めて開催される通常国会を前に政治的圧力や国際的批判への対応という意図があるとみられている。
ミャンマー国営放送(MRTV)は軍政の最高指導者であるフライン(Min Aung Hlaing)総司令官が1万162人の受刑者を恩赦対象とし、そのうち7337人は反テロ法違反で有罪判決を受けた者だと伝えた。さらに同法の起訴中あるいは逃亡中だった1万2487人に対しても恩赦が適用され、訴状が取り下げられるという。恩赦対象には外国人10人も含まれている。
恩赦による釈放は2日の午前11時ごろから始まり、最大都市ヤンゴンのインセイン刑務所などからバスで運ばれた釈放者たちが、家族や友人らに迎えられた。釈放された30歳の女性はAP通信の取材に対し、「とても嬉しく、まだ投獄されている人たちも解放されることを祈っている」と述べた。彼女は反テロ法違反で2022年に禁固7年を言い渡されていたという。
恩赦対象の中には政治的背景を持つ受刑者も含まれ、旧与党「国民民主連盟(NLD)」の政府関係者や学生組合のメンバー、反体制派ジャーナリストなども釈放されたとの報道もある。ただし、2021年の軍事クーデター以降、外部との連絡を断たれているアウンサンスーチー(Aung San Suu Kyi)氏やその他政府高官が恩赦対象に含まれたという情報はない。
人権団体「政治犯支援協会(AAPP)」は10カ所の刑務所から少なくとも324人の政治犯が釈放されたと発表したが、身元は明らかにしていない。
今回の恩赦は軍政が国会を正統化する動きの一環として位置づけられている。ミャンマーでは2021年のクーデター以降、軍政が国内の民主主義勢力を弾圧し、多数の活動家や野党支持者を拘束してきたことに対して国際社会や人権団体が強い懸念を示してきた。AAPPによると、2月末時点で約2万2800人の政治犯が拘束されているという。
軍政はこれまでにも伝統的な行事や祝日に合わせて恩赦を行ってきたが、今回の規模の大きさは異例とされる。釈放は数日かけて進められる見込みで、ミャンマー国内外で今後の政治的影響が注目されている。
