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ミャンマー総選挙、第2回投票も親軍政党が勝利、内戦続く中

ミャンマー国営放送(MRTV)は16日、選挙管理委員会の数字を引用し、軍に近い政党である連邦団結発展党(USDP)が第2回投票で下院(定数330)の100議席中86議席を獲得し、これまでの合計で182議席を確保したと報じた。
2026年1月7日/ミャンマー、第2の都市マンダレー、親軍政党・連邦団結発展党(USDP)の支持者たち(AP通信)

ミャンマーで実施中の総選挙について、軍政支持の政党が第2回投票でも優勢を維持し、最終投票を前に議会での過半数獲得に向けた勢いを強めていることが軍当局の公式発表で明らかになった。ミャンマー国営放送(MRTV)は16日、選挙管理委員会の数字を引用し、軍に近い政党である連邦団結発展党(USDP)が第2回投票で下院(定数330)の100議席中86議席を獲得し、これまでの合計で182議席を確保したと報じた。これは過半数を上回る状況であり、最終投票となる第3回投票が1月25日に実施される前に事実上の勝利に近づいている。

総選挙は2021年2月にアウンサンスーチー(Aung San Suu Kyi)氏率いる文民政権がクーデターで排除されて以降、初めて行われる全国規模の選挙である。軍はこれを民主的な節目と位置づけているが、国内外の人権団体や民主派勢力は選挙の自由・公正さを強く疑問視している。批判者らは、主要野党の多くが登録を拒否または強制解体され、言論や抗議活動が抑圧されていることを指摘し、「選挙は軍政の正当性を演出するための見せかけだ」と非難している。

ミャンマーの国会は上下両院合わせて664議席で構成され、今回の総選挙は下院330議席が対象となっている。憲法により軍には各院の25%の議席が自動的に割り当てられており、USDPが選挙で多数を占めれば、連邦議会での実質的な支配力を確保しやすい状況となる。下院の支配は大統領の選出権や内閣構成権にも影響を及ぼすため、軍政側が政治権力の正統性を高める上で極めて重要な意味を持つ。

選挙は内戦の影響を受け、330の行政区画のうち第1回と第2回で202地域でのみ投票が実施された。激戦地となっている一部地域では安全確保が困難なため、最終投票でも65の地域では実施が見送られる見通しだ。報道によると、民主派とゲリラ勢力はこれまでの投票でも投票所や官公庁を標的とする攻撃を決行、治安情勢の不安定さを改めて浮き彫りにしている。

第2回投票の結果発表後、軍政は3月に国会を招集し、4月には新政府が発足する予定と述べている。しかし、国際社会や人権団体は、政治的自由の制限や主要野党の排除が続く中での選挙が真に民主的なプロセスであるとは認められないとの立場を崩していない。また、国民の間でも投票率の低さや軍主導の選挙管理に対する不信感が根強く、選挙の正当性を巡る国内外の議論は最終投票に向けてさらに激しくなる可能性がある。

最終的な選挙結果は1月下旬までに確定し、その後の憲法手続きに基づいて大統領選出など次期政権の布陣が進められる見込みだ。総選挙の進行は長引く内戦と国際社会の非難を背景に、ミャンマー国内の政治的分断を一段と深める要素となっている。

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