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ミャンマー軍が北部の集落空爆、21人死亡、避難民が標的に

空爆が行われたのは避難民約500人が住む州郊外の集落と伝えられている。
ミャンマー、西部ラカイン州郊外、周囲を警戒するゲリラ兵(Getty Images)

ミャンマー北部カチン州の集落で軍による空爆があり、避難民を含む民間人少なくとも21人が死亡、数十人が負傷した。少数民族武装勢力「カチン独立軍(KIA)」が23日、明らかにした。空爆が行われたのは避難民約500人が住む州郊外の集落と伝えられている。

軍事政権はコメントを出していない。

AP通信はKIA報道官の話しとして、「空爆は22日午後、空軍の戦闘機によって実施され、祈祷場所や避難民キャンプ、それに学校や市場が爆撃対象になった」と報じた。負傷者は30人近くに上り、乳児を含む複数人が意識不明の重体と伝えられている。インターネットも遮断されているため、現地の状況を確認することは困難だ。

地元の独立系メディアは空爆直後の映像や写真をSNSに投稿し、破壊された建物や遺体の様子を伝えている。この集落は今月末に予定されている総選挙の第3回投票が行われる地区に近い。この投票は330郡区のうち61区で実施される予定だが、KIAがこの区の多くを支配しているため、実施は困難との見方も出ている。

ミャンマーでは2021年2月のクーデターで文民政府が打倒されて以降、内戦が激化し、カチン州を含む地方で地上戦が続いている。クーデター直後の平和的な抗議デモは治安部隊の武力で制圧され、多くの市民が武装抵抗に転じた。以降、内戦状態の中で軍と多数の反政府組織が衝突を続け、全国各地で空爆や地上戦が展開されている。国連などの集計では治安部隊によって7700人以上が殺害され、人道上の懸念が高まっている。

軍政は政権維持のため空爆や軍事作戦を強化しており、少数民族地域や民主化勢力拠点への攻撃を続けてきた。KIAは長年自治権拡大を求めて戦ってきた主要な組織のひとつで、他の民兵とも緩やかに連携している。国連や国際社会は民間人を標的とする爆撃や戦闘の即時停止を繰り返し求めているが、軍政による攻撃が収まる気配はない。

今回の空爆は避難民や子ども、非戦闘員を巻き込んだ攻撃として国内外で批判を呼ぶ可能性がある。特に投票が予定される地域での爆撃は、選挙の安全性や正当性にも影を落としている。批評家は軍主導の選挙が主要政党を排除し反対意見を抑圧する中で実施されることに疑問を呈しており、今回の事件は政治的混乱と人道危機の深化を象徴する出来事と見られている。

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