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ミャンマー軍が茶店を空爆、子供含む18人死亡、20人負傷

空爆は5日の午後8時頃に行われたという。空軍の戦闘機が2発の爆弾を投下、警報が鳴ったものの、集落内の茶店にいた人々などが巻き込まれた。
2025年12月6日/ミャンマー、サガイン、国軍の空爆を受けたとされる集落(AP通信)

ミャンマー軍が中央部サガイン管区の集落を空爆し、少なくとも18人が死亡、20人が負傷した。地元住民および独立系メディアが8日、明らかにした。

それによると、空爆は5日の午後8時頃に行われたという。空軍の戦闘機が2発の爆弾を投下、警報が鳴ったものの、集落内の茶店にいた人々などが巻き込まれた。犠牲者の中には5歳の子どもと2人の教師も含まれていた。

この茶店ではミャンマー代表とフィリピン代表のサッカーの試合がテレビで放映され、多くの住民が集まっていた。ミャンマーにおける茶店は西洋のコーヒーショップのような地域住民の交流拠点であり、家族や近隣住民とおしゃべりをしたり、食事をとったり、地域の情報を共有する日常の社交場として機能している。

約20軒の住宅も爆風で被害を受け、複数の建物が全壊した。地元住民の証言によると、空爆当時、この集落とその周辺で抵抗勢力と国軍との戦闘は起きていなかったという。

この攻撃は今月末に予定されている総選挙を前に、抵抗勢力への空爆が激化している流れの一環と見られる。だが、今回のように民間人、しかも幼児や教師が日常生活を営んでいた場所を標的に空爆が実行されたことで、非戦闘員の犠牲が際立つ形となった。

空爆後、集落では犠牲者の葬儀が行われ、一部住民は避難を余儀なくされ、残った人々は防空壕の掘削を始めた。地元メディアや独立系ニュースサイトは破壊された建物の残骸や瓦礫の映像を公開しており、インターネット上で衝撃と怒りが広がっている。

2021年2月のクーデター以降、軍事政権による市民への武力弾圧と抵抗勢力との対立は激化。頻繁な空爆により、多くの無実の市民が犠牲となってきた。今回の事件は、その中でも市民生活の中で起きた「通り魔的空爆」として国際的な非難を呼ぶ可能性がある。

このような状況の下、戦闘地域だけでなく、日常空間で平和的に暮らしていた人々さえ巻き込まれる。今回の惨劇はミャンマー国内の軍事的圧力の深刻さと、一般市民の命の危険がいかに高まっているかを改めて浮き彫りにしている。民間人の命を守るため、国際社会の監視と人道支援が急務となっている。

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