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ミャンマー総選挙、内戦続く中第2回投票、軍政寄りの政党が優位か

選挙は上下両院合わせて664議席の国会議員を選ぶもので、過半数を獲得した政党が大統領を指名、内閣を組織できる仕組みだ。
2026年1月10日/ミャンマー、最大都市ヤンゴンの通り(AP通信)

ミャンマーで1月11日、5年ぶりとなる総選挙の第2回投票が行われた。軍事政権と民主派勢力による内戦が続く中、治安が不安定な地域も多い中での投票となった。最大都市ヤンゴンや第2の都市マンダレーを含む全国100郡区で午前6時に投票所が開設され、市民が投票を行った。多くの地域で衝突や治安上の懸念が指摘されており、選挙を巡るリスクの大きさが改めて浮き彫りになった。

この総選挙は軍政の下で3段階に分けて行われる予定、第1回は昨年末に行われた。総計330郡区のうち102郡区が対象となった第1回では、軍に近い政党である連邦団結発展党(USDP)が下院議席の9割を獲得し、地方議会でも多数を占めたと報じられている。軍政はこの結果を成功と主張、投票率は52%とされるが、その信憑性には国際社会から疑問の声が上がっている。

選挙は上下両院合わせて664議席の国会議員を選ぶもので、過半数を獲得した政党が大統領を指名、内閣を組織できる仕組みだ。しかし、憲法により軍は各議院議席の25%を自動的に保有し、軍政の影響力が強い構図が続く。

今回の選挙には57政党から4800人以上の候補者が立候補しているが、全国で政治的な影響力を持ち得る政党は6党に限られている。これは、選挙参加に対する制約や不公平な環境を反映していると指摘される。

一方で、アウンサンスーチー(Aung San Suu Kyi)氏はこの選挙に参加しておらず、その政党である国民民主連盟(NLD)は軍政の規則に従わなかったとして2023年に解党に追い込まれた。スーチー氏自身は27年の刑を受け服役中であり、多くの支持者や反対勢力が選挙の正当性に強い疑念を表明している。

ミャンマーの人権問題を担当する国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)のアンドリュース(Thomas Andrews)氏は国際社会に対し、「数千の政治犯が収監され、信頼できる反対勢力が排除され、報道の自由が抑圧されている状況下では自由で公正な選挙とは言えない」と選挙を批判している。

ミャンマーでは2021年のクーデター以降、軍政と民主派・少数民族武装勢力との衝突が拡大し、事実上の内戦状態に陥っている。国連や人権団体によると、クーデター以降、数万人規模の民間人が死傷し、数百万人が避難を余儀なくされているという。こうした状況下での選挙は政治的安定化や和平への道筋を示すどころか、軍政の正当性確立を狙ったものとの批判が根強い。

3回目の投票は1月25日に予定されているが、戦闘のため65郡区では投票が行われない見込みだ。今後の選挙結果がミャンマー国内の政治や国際関係にどのような影響を与えるかは不透明であり、国際社会の注目が集まっている。

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