◎ミャンマーの国営テレビMRTVは24日、「スーチー氏は初めて弁護士に直接会うことを許可された」と報じた。
地元メディアによると、ミャンマーの元指導者アウンサンスーチー氏は、2月の軍事クーデター以来初めて裁判所に直接出廷したという。スーチー氏は国家機密法違反を含むいくつかの容疑を国軍になすりつけられており、有罪判決を受ける可能性が高いと伝えられている。
ミャンマーの国営テレビMRTVは24日、「スーチー氏は初めて弁護士に直接会うことを許可された」と報じた。この日法廷に姿を見せたのは、スーチー氏、ウィンミン前大統領、首都ネピドーの元市長ミョー・アウン氏の3人だった。
国民民主連盟(NLD)の弁護士団のひとり、ミン・ミン・ソエ弁護士はAP通信の取材に対し、「ネピドー市議会の建物内に設置された特別裁判所で公聴会が始まる前に、3人と約30分間話すことができた」と語った。スーチー氏は前回オンラインで出廷し、弁護士と直接会うことは許可されていなかった。
ミン・ミン・ソエ弁護士は、「スーチー氏は国民の健康を願っていた」と述べた。
弁護士団のひとり、キン・マウン・ザウ弁護士は、「スーチー氏は国民のために行動すると約束した」と述べた。「スーチー氏は、NLDは国民から生まれた党であり、国民が支持し続ける限り存在すると言いました...」
軍事政権のミン・アウン・フライン司令官は、NLDの解散と事実上の一党独裁体制の確立に向けた動きを加速させている。
ミャンマーの国連特別特使、クリスティン・シュラーナー・バーゲナー氏はニューヨークの国連本部で行われたオンライン会見で、「NLDの禁止は容認できない」と述べた。「NLDは国民の意思です。NLDが存在し続けることを願っています...」
現地メディアによると、この日出廷した元ネピドー市長ミョー・アウン氏の弁護士のテイン・ライン・トゥン氏は、「不安を引き起こす可能性のある情報を集めた容疑」で公聴会後に逮捕されたという。
今回の公聴会は、国民の警戒や不安を引き起こす可能性のある情報を広めたという3人の被告に対する告発に関するものだった。
スーチー氏は2020年の選挙運動中にコロナウイルス制限に違反した罪と、トランシーバーを違法に輸入した罪でも起訴されている。
地元メディアによると、スーチー氏が直面している最も深刻な容疑は植民地時代に採用された国家機密法違反であり、最高14年の実刑判決を受ける可能性があるという。国家機密法違反は別の秘密裁判所で審理されると伝えられている。
NLDは昨年11月の総選挙で軍の支援を受ける野党に圧勝し、2月に新政権を発足する予定だったが、国軍に叩きつぶされた。
軍事政権のミン・アウン・フライン司令官は、NLDは総選挙で不正を働いたと主張しているが、証拠は提示していない。アジア自由選挙ネットワークは先週発行した報告書の中で、総選挙の結果は国民の意志を反映していると述べ、国軍の主張を却下した。
軍事政権は、スーチー氏は賄賂を受け取っていたと非難したが、地元メディアによると、この告発に関する裁判の情報は現時点では報告されていないという。スーチー氏の弁護士は汚職疑惑を却下した。
NLDの高官らに対する別の裁判も係属中と伝えられている。
国内の逮捕者と死亡者の集計を行っている政治犯支援協会(AAPP)によると、軍事クーデター以来、95人が何かしらの刑を宣告され、約4,300人が現在も拘留されているという。
AAPPや他の独立系メディアは、軍事クーデター以来、民間人の死亡者は810人を超えたと報じているが、香港を拠点とするフェニックステレビジョンの取材に応じた軍事政権の高官は先週、「死亡者数は誇張されている」と民間の主張を却下した。「死亡者数は約300人ほどで、そのうち47人は武装組織の攻撃を受け死亡した警察官です。メディアは誤った情報を拡散しています」