◎首都ネピドーで行われたパレードには少数民族の関係者も多数参加したと伝えられている。
2022年2月12日/ミャンマー、首都ネピドーで開催された連邦記念日のパレード(AP通信)

2月12日、ミャンマーの軍事政権は75回目の連邦記念日を盛大に祝い、国内で活動する少数民族に平和と統合を呼びかけた。

民主的な選挙で選ばれたアウンサンスーチー氏と国民民主連盟(NLD)の代表を打倒したミン・アウン・フライン司令官は、1947年のパンロン合意を称賛した。

独立運動の指導者であるアウン=サンと少数民族の代表らは1948年のビルマ独立の前年に会談し、少数民族の自治権を認め、連邦国家として独立することに合意した。

しかし、昨年2月の軍事クーデター後、一部の少数民族は平和的なデモが武力で鎮圧されたことに憤慨し、武力抵抗を開始した。国連の一部の専門家は、進行中の戦闘を内戦と位置づけている。

アウンサンスーチー氏も少数民族を納得させる政治的合意を結ぶことはできず、多数派のビルマ族と少数民族は武力衝突と停戦を繰り返している。

フライン司令官は演説の中で少数民族との対立を解決できていないと認め、対立が国の発展を遅らせていると述べた。

首都ネピドーで行われたパレードには少数民族の関係者も多数参加したと伝えられている。

フライン司令官は「愛国心とは、国、民族、言語、文学、文化を敬愛し、国家や民族の侵害に反対する気持ちを持つことと定義されています」と述べた。「愛国心が足りないと、国家や民族に恐ろしい危機をもたらすことになります...」

国営メディアによると、軍は少数民族との協議再開を目指しており、12日の記念日に合わせて対話への参加を促したという。

しかし、軍事政権に反対する団体と一部の少数民族は式典のボイコットを呼びかけていた。

ソーシャルメディアには「式典中はテレビを消す」「パレードの様子をフェイスブックに投稿しない」「軍事政権の演説を聞かない」などの投稿が複数寄せられている。

一部の少数民族と武装勢力はデモを補完する形でゲリラ活動を続けている。

最大都市ヤンゴンとネピドーで活動するあるグループは、式典会場に爆弾を仕掛けたとフェイスブックに投稿した。

またこのグループは式典が始まる数時間前に、警察署と市場に爆弾を仕掛けたと投稿している。ヤンゴンの別のグループは軍用車両を攻撃し、インターネット事業者の施設を爆破したと主張した。

主張が事実かどうかは不明だが、多くのグループや個人がソーシャルメディアを使って軍をかく乱しようとしている。

軍事政権は携帯電話事業者に12日の大半はモバイルデータ通信サービスを停止し、Wi-Fiのみ開放するよう命じた。

地元メディアによると、軍は式典に合わせて860人以上の受刑者に恩赦を与えたという。この中にNLDの高官が含まれているかどうかは明らかにされていない。

2022年2月12日/ミャンマー、首都ネピドー、ミン・アウン・フライン司令官(Getty Images/AFP通信)
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