◎軍は現在、中部のサガイン地方域と東部のカヤー州で空爆、砲撃、村の焼き討ちなどの掃討作戦を展開している。
ミャンマーの軍事政権は27日、国軍記念日の軍事パレードで反体制派の民兵組織やレジスタンスに対する取り締まりを強化すると発表し、軍は敵対勢力を絶滅させると宣言した。
ミン・アウン・フライン司令官は首都ネピドーの演説で少数民族に反体制派を支持しないよう求め、テロリストとの交渉には一切応じないと述べた。
軍は昨年、選挙で選出されたアウンサンスーチー氏らを追放し、政権を奪取した。国内の逮捕者などを追跡している政治犯支援協会(AAPP)によると、治安部隊はデモの鎮圧という名目で市民1,700人以上を殺害し、数千人を拘束したという。
軍事政権に反対する地方の民兵組織は人民防衛軍(PDF)と呼ばれる数百の民兵グループを結成した。一部のグループは戦闘に慣れている武装集団と手を結んだと伝えられている。
ミン・アウン・フライン司令官は演説の中で、「無実の人々を殺害し、平和と安全を脅かすテロリスト集団とその支持者とは交渉しない」と述べた。
演説後に発表された公式翻訳も司令官は「反体制派を絶滅させる」と書いている。
政府は主に地方で活動する民兵組織をテロリストに指定しており、これに加入したり接触したりした者は厳しく罰せられる。
ミャンマー軍は兵力では民兵組織を圧倒しているが、鎮圧に苦労している。
民兵組織は地元コミュニティからの支援や地の利を生かし、遠隔地に攻め込んできた輸送隊、パトロール隊、警備所や基地に対し、驚くほど効果的な攻撃を行っている。
軍は現在、中部のサガイン地方域と東部のカヤー州で空爆、砲撃、村の焼き討ちなどの掃討作戦を展開している。ミャンマーナウなどの独立系メディアによると、戦火は西部のチン州や南東部のカイン州にも広がったという。
追放された国民民主連盟(NLD)の議員などで構成される国民統一政府は27日、国民に国営テレビが軍事パレードを放送している間、照明とテレビを消すよう呼びかけた。
ミャンマーナウによると、この取り組みは停電に抗議するためのものだという。最大都市ヤンゴンを含む主要都市では数カ月前から停電が頻発しており、軍事政権によると、ガス料金の高騰と送電線が破壊工作で損傷したため電力の供給に支障が出ているという。
米国、EU、その他20カ国は27日の声明で軍事クーデターを非難し、この1年間の弾圧で死亡した人々に哀悼の意を表した。
声明を発表した国々はミャンマー軍に暴力の即時停止と文民統制の回復を要求し、関係国にミャンマーへの武器供与を行わないよう求めた。
米国、イギリス、カナダは26日にミャンマー軍の軍高官やビジネスリーダーに対する協調制裁を発動している。
制裁の対象は空軍の長官に任命された者を含む軍高官3人、武器商人とされる4人、および彼らに関連する企業。米国は、昨年末にカヤー州で少なくとも民間人30人を虐殺した陸軍第66軽歩兵師団にも制裁を科した。