◎デモ隊は石炭産業とつながりの深い議員が数十億ドルもの資産を隠し持っているという内部告発にも憤慨した。
モンゴルの首都ウランバートルで5日、インフレと石炭産業の汚職疑惑に抗議するデモが行われ、数千人が参加した。
地元メディアによると、一部のデモ参加者が政府庁舎に突撃し、警察と衝突したという。
デモ隊はマイナス21度という厳しい寒さにもかかわらず、ウランバートル中心部の広場でオヨーンエルデネ(Luvsannamsrai Oyun-Erdene)首相に辞任を求めた。
ロイター通信の取材に応じた女性は「モンゴルを助けてください」と懇願した。「この国は崩壊に向かっています!」
多くのデモ参加者がロシアのウクライナ侵攻に端を発するインフレに抗議し、シュプレヒコールを上げた。報道によると、モンゴルの先月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比で15.2%増。
ウランバートルに拠点を置く援助団体はフェイスブックに、「人口の大多数を占める低中所得者層は恐ろしいほど困窮している」と投稿している。
デモ隊は石炭産業とつながりの深い議員が数十億ドルもの資産を隠し持っているという内部告発にも憤慨した。
デモに参加した男性はロイターに、「政治家は国民のために働くと約束しながら私腹を肥やしています」と語った。「汚職政治家を逮捕してください!」
地元メディアによると、警察は5日の現地時間21時頃にデモ隊を解散させようとしたが、一部の参加者が政府庁舎に強行突入したという。デモ隊はバリケードを倒し、窓を割り、警察に石を投げた。
汚職防止委員会(日本の公正取引委員会)は先月、国営石炭会社のCEOを含む30人以上を横領の疑いで調査していると明らかにした。
同社は国内の主要な鉱床を管理しており、その輸出などで得られる収益は政府の主要財源のひとつである。同社はこの疑惑に関する声明をまだ出していない。
横領に関与したとされる議員たちは主要な取引先である中国企業との関係を利用して違法な利益を上げたと告発されている。
モンゴルの輸出額の85%は中国との取引によるもので、その半分以上を石炭が占めている。同国のGDPの4分の1は鉱業関連である。
報道によると、ウランバートルでは4日にも抗議デモが行われ、数百人が参加したという。デモ隊は首相府まで行進しようとしたが、警察のバリケードに阻まれたようだ。
Protesters in #Mongolia are trying to storm the Government House. The road to the prime minister's residence has already been blocked by police.
— NEXTA (@nexta_tv) December 5, 2022
According to media reports, protests in the country erupted after reports that officials had stolen large quantities of coal. pic.twitter.com/SlzsVMh3wS