ミャンマー軍政が選挙運動開始、内戦続く中 12月総選挙
軍政は年末に投票を開始すると主張しているが、国土の半分以上を反体制派に占領された状態で行えるかは不明である。
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ミャンマーの首都ネピドーで28日、軍事政権の承認を得た政党が選挙運動を開始した。
内戦下の総選挙は12月28日に始まる予定だ。国土の半分以上を掌握する反体制派は投票を妨害し、投票所を破壊すると警告している。
国連のグテレス(Antonio Guterres)事務総長は27日、ASEANサミットでミャンマーの選挙に言及。この選挙がさらなる不安定化を招き、ミャンマーの危機を深刻化させる恐れがあると警告した。
国軍は過去数週間、複数の主要都市を奪還したと報告しているが、地元の独立系メディアはいずれの都市も奪還には至っておらず、戦闘が続いていると報じている。
政治組織「挙国一致政府(NUG)」は総選挙を自由でも公正でもないと批判。国際社会に支持しないよう呼びかけている。
57の政党が選挙登録を済ませたが、過去2回の選挙で圧勝しながらも軍に追放されたアウンサンスーチー(Min Aung Hlaing)氏の与党・国民民主連盟(NLD)はこれに含まれていない。
軍政の選挙管理委員会は2年前、NLDを含む「反乱分子」に解散を命じた。
軍政は現在、多方面から攻撃を受け、追い詰められている。
シャン州を支配する「ミャンマー民族民主同盟軍(MNDAA)」と「タアン民族解放軍(TNLA)」、「アラカン軍」、カレン州の「カレン民族同盟(KNU)」、チン州の反体制派「チン民族戦線(CNF)」などからなる民主派勢力は23年10月、中国国境に近い北部で反攻を開始。複数の地域から国軍を追い出した。
これらの反体制派はNUGや「人民防衛軍(PDF)」と連携し、国土の半分以上を掌握。軍政に圧力をかけてきた。
軍政は年末に投票を開始すると主張しているが、国土の半分以上を反体制派に占領された状態で行えるかは不明である。
選管は戦闘のため、330の選挙区すべてで投票を実施することはできないと主張。第1段階で102の選挙区、第2段階では100の選挙区で投票を行うとしている。
NLDが参加しない場合、軍政に忠誠を誓う政党が勝利すると予想される。
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