ミャンマー軍、宝石産業の拠点モゴックを空爆、21人死亡
ミャンマー国営放送(MRTV)はこの空爆について報じていない。
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ミャンマーの軍事政権が第2の都市マンダレーの郊外を空爆し、妊婦を含む少なくとも21人が死亡、大勢が負傷した。現地メディアが16日に報じた。
それによると、軍は宝石産業の拠点となっているモゴックの住宅地を空爆したという。
ミャンマーはルビー、サファイア、スピネル、翡翠など、高品質な宝石の産地として世界的に有名である。
特にモゴックはルビーの主要産地であり、深い赤色が特徴の「ピジョンブラッド」と呼ばれる最高級ルビーが採れることで知られている。
モゴックはマンダレーの北部に位置する。
現地メディアによると、空軍は14日の午後8時30分頃に空爆を開始したという。
タアン民族解放軍(TNLA)の報道官はAP通信の取材に対し、「妊娠中の女性を含む民間人少なくとも21人が死亡、7人が負傷し、住宅や仏教寺院などが被害を受けた」と語った。
TNLAは中国国境付近で国軍と戦闘を続ける民兵組織の一つである。
地元メディアによると、TNLAは24年7月にモゴックを支配下に置いたという。
ミャンマー国営放送(MRTV)はこの空爆について報じていない。
オンラインメディアのミャンマー・ナウは空軍の戦闘機が爆弾を投下し、少なくとも15軒の民家が被害を受けたと伝えている。
軍指導部は21年2月、前年の選挙で圧勝した国民民主連盟(NLD)のアウンサンスーチー(Aung San Suu Kyi)氏やウィン・ミン(Win Myint)大統領らを拘束した。
軍政は現在、多方面から攻撃を受け、追い詰められている。
シャン州を支配する「ミャンマー民族民主同盟軍(MNDAA)」とTNLA、「アラカン軍」、カレン州の少数民族ゲリラ「カレン民族同盟(KNU)」、チン州の反体制派「チン民族戦線(CNF)」などからなる民主派勢力は23年10月、中国国境に近い北部で反攻を開始。複数の地域から国軍を追い出した。
これらの反体制派は民主派政治組織「挙国一致政府(NUG)」や「人民防衛軍(PDF)」と連携し、国土の半分以上を掌握。軍政に圧力をかけている。
軍政は25年12月に総選挙を行うと主張しているが、国土の半分以上を反体制派に占領された状態で行えるかは不明である。
軍政が先月末、非常事態宣言を解除し、総選挙の準備のために行政機関を再編すると発表した。