◎事件はアフガニスタンと国境を接する同州の北ワジリスタンと南ワジリスタン地区で発生した。
パキスタン北西部カイバル・パクトゥンクワ州の武装勢力が陸軍基地を襲撃し、兵士9人を殺害した。地元当局が20日、明らかにした。
それによると、事件はアフガニスタンと国境を接する同州の北ワジリスタンと南ワジリスタン地区で発生した。
武装勢力は北ワジリスタンの基地周辺をパトロールする部隊を19日遅くに襲撃し、兵士3人を殺害。さらに南ワジリスタンの陸軍基地を20日未明に攻撃し、6人を殺害した。
AP通信は関係筋の話しとして、「南ワジリスタンへの攻撃で負傷した兵士11人が病院に搬送され、うち数人が重体である」と報じた。
犯行声明を出した組織は確認されていないが、TTP(パキスタンのタリバン運動)に疑惑の目が向けられている。
パキスタン軍は両地区での襲撃が事実であることを認めたが、死者数については南ワジリスタンのみ発表。北ワジリスタンで兵士が死亡したとは述べていない。
TTPとアフガンのタリバン暫定政権は別組織だが、思想は共有している。TTPは現在、アフガンの山岳地帯に潜伏しているとみられ、2022年11月に中央政府との停戦協定を一方的に打ち切り、軍と警察への攻撃を強化した。