パキスタン軍、北西部で対テロ作戦決行中、数万人避難
パキスタン政府はアフガンのタリバン暫定政権が国境付近で活動する武装勢力を見逃していると頻繁に非難している。
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パキスタン軍が北西部カイバル・パクトゥンクワ州で対テロ作戦を本格化させ、数万人が避難を余儀なくされた。地元当局が12日、明らかにした。
中央政府はコメントを出していないが、地元当局は同国最大のイスラム過激派「TTP(パキスタンのタリバン運動)」がかつて拠点を置いた地域で対テロ作戦が始まり、過去数日で約2万世帯の5万人以上が自宅を離れたと明らかにした。
AP通信は地元当局者の話しとして、「これは大規模な作戦ではなく、治安部隊は民間人への被害を回避するため、テロリストの隠れ家のみを標的としている」と伝えている。
あるX(旧ツイッター)ユーザーは空中支援を受けた治安部隊がアフガニスタン国境沿いの山岳地帯にある武装勢力の隠れ家を攻撃したと投稿した。
パキスタン軍は2009年、アフガン国境近くの武装勢力に対する大規模な作戦を実施。数十万人が避難を余儀なくされた。
アフガンと国境を接するカイバル・パクトゥンクワ州と南西部バルチスタン州では近年テロが多発。その多くにTTPと反政府勢力「バルチスタン解放軍(BLA)」が関与している。
パキスタン政府はアフガンのタリバン暫定政権が国境付近で活動する武装勢力を見逃していると頻繁に非難している。タリバンはこれを否定している。
TTPとアフガンのタリバンは別組織だが、思想は共有している。TTPは現在、アフガンの山岳地帯に潜伏しているとみられ、2022年11月に中央政府との停戦協定を一方的に打ち切った。
軍はバルチスタン州でも対テロ作戦を決行中。先週アフガン国境から越境を試みた武装勢力の戦闘員33人を殺害したと明らかにした。