▽武装集団は9日、アフガニスタン国境近くで労働者を乗せたバンを襲撃し、16人を拉致。バンを燃やして逃走した。
パキスタン北西部カイバル・パクトゥンクワ州で正体不明の武装集団が採掘事業に従事する労働者16人を拉致した事件について、地元当局は10日、治安部隊がこのうち8人を救出したと明らかにした。
武装集団は9日、アフガニスタン国境近くで労働者を乗せたバンを襲撃し、16人を拉致。バンを燃やして逃走した。
AP通信によると、16人は原子力委員会に関連する工事を請け負った会社の従業員とみられる。
地元当局は声明で、「治安部隊が誘拐された16人のうち8人を救出した」と述べたが、それ以上の詳細はあきらかにしなかった。
残り8人の安否も不明である。陸軍と警察はコメントを出していない。
武装集団は9日、拉致した労働者の何人かを映したとみられる映像を地元テレビ局に送った。
その映像には武装集団の要求を受け入れるよう当局に求める男の姿が映っていたが、その要求が何であるかは不明であった。
武装集団の正体は明らかになっていないものの、治安部隊への攻撃を強化しているTTP(パキスタンのタリバン運動)に疑惑の目が向けられている。
TTPとアフガンのタリバンは別組織だが、思想は共有している。TTPは現在、アフガンの山岳地帯に潜伏しているとみられ、2022年11月に中央政府との停戦協定を一方的に打ち切った。