パキスタン同時多発テロ、125人死亡、分離主義勢力が犯行声明
死者には一般市民や治安部隊の要員が含まれ、同州内で同時多発的に襲撃が行われた。
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パキスタン南西部バルチスタン州で1月31日に発生した大規模テロについて、地元当局は2月1日、少なくとも33人が死亡したと明らかにした。
それによると、死者には一般市民や治安部隊の要員が含まれ、同州内で同時多発的に襲撃が行われた。陸軍はこれに反撃し、92人のテロリストを殺害したと明らかにした。AP通信は当局者の話しとして、「バルチスタン州での武装勢力との衝突としては、過去数十年で最も多くの戦闘員が1日で死亡した」と伝えている。
襲撃はバルチスタン州内の複数地点でほぼ同時に始まり、州都クエッタを含む地域の警察署や刑務所、準軍事組織の施設、住宅地などが標的になった。軍によると、18人の民間人と15人の治安要員が死亡。これに対し軍の反撃で武装勢力の戦闘員92人が死亡したとしている。
事件後、反政府勢力「バルチスタン解放軍(BLA)」が犯行声明を出した。BLAはこれまでにも分離独立を求めて政府機関や治安部隊を標的とした攻撃を繰り返してきたが、今回のような大規模な同時多発攻撃は異例である。BLAは襲撃の映像を公開し、女性戦闘員が戦闘に参加している様子をアピールするなど、プロパガンダ的な意図も窺わせている。
襲撃では銀行強盗や車両への攻撃も確認され、鉄道線路の爆破による交通網への影響も出た。これを受け国鉄はバルチスタン州と他地域を結ぶ列車の運行を一時停止したほか、複数の病院が緊急体制に移行するなど混乱が広がった。州政府は全病院に非常事態を宣言し、クエッタなど各地で遺体搬送や負傷者の治療が続いた。
軍と内務省は襲撃を「組織的で広範なテロ行為」と断じ、インド政府が武装勢力を後押ししているとの見方を示した。これについてインド側はコメントを出していないものの、パキスタン政府はこのような外国の介入が地域の不安定化を招いているとの立場を繰り返している。
バルチスタン州では古くから中央政府からの独立を求める分離運動が続き、BLAと治安部隊との衝突が長年にわたり断続的に発生してきた。近年は同国最大のイスラム過激派TTP(パキスタンのタリバン運動)など、他の武装勢力との連携や共闘も指摘され、治安当局は各地で対テロ作戦を継続しているが、今回のように市民を巻き込んだ大規模攻撃は地域情勢の緊迫を改めて示すものとなった。
一方、州政府は治安部隊の追跡作戦が続いていると発表し、新たな襲撃を抑えるための監視と検問を強化している。パキスタン全土の治安強化が求められる中、バルチスタン州を中心とした反政府勢力の脅威は依然として高い水準にある。
