モルディブ大統領が「新メディア法」に署名、ジャーナリストに圧力
モルディブにおける「報道の自由」は非常に制限されている。
.jpg)
インド洋の島国モルディブのムイズ(Mohamed Muizu)大統領が18日、論争の的となっている通称「新メディア法」に署名した。
これは法律違反と認定されたジャーナリストに対し最大1620ドル(約24万円)、メディア企業に対し最大6485ドル(約95万円)の罰金を規定している。
また規制当局は調査完了までメディア免許を停止したり、免許取消を求めたり、新法違反と判断された場合、放送を中断させるため警察を派遣することも可能となる。
国民議会(一院制、定数93)は先週、この法案を賛成多数で可決した。
大統領府は声明で、ムイズ氏がこの法案に署名したと明らかにした。
現地メディアによると、野党議員は先週、この法案に抗議し議場を占領。その後警備員に追い出されたという。与党議員60人が賛成票を投じた。
新法はジャーナリストに対し、憲法、イスラム教、国家安全保障、社会的価値観を尊重し、個人の名誉と人権を保護することを義務付けている。
モルディブにおける「報道の自由」は非常に制限されている。モルディブのメディアは政府や権力者の影響を受けやすく、独立性が確保されていない。政府に対する批判的な報道を行うことは、しばしば報復を招き、ジャーナリストやメディア関係者が暴力や脅迫を受けることもある。政府に反対する報道を行うジャーナリストや活動家は監視され、拘束されることもある。
モルディブではインターネットやソーシャルメディアも監視されており、政府にとって不都合な情報や批判的な意見が広まることを防ぐために、オンライン検閲が行われている。政府にとって都合の悪い情報はメディアやインターネット上で削除されることが多く、市民が自由に情報を得ることは難しい。
2015年には著名なジャーナリストが殺害される事件が発生し、モルディブ国内外で大きな反響を呼んだ。この事件は、モルディブの報道の自由の脆弱さを象徴するものであり、ジャーナリストやメディア関係者が自由に仕事をすることがいかに困難であるかを浮き彫りにした。