▽バングラから海路で出国するロヒンギャ難民のほとんどが仕事を求めてイスラム教徒の多いマレーシアを目指す。
マレーシア当局は4日、ミャンマーの少数民族ロヒンギャ約300人を乗せた2隻の船が領海内に侵入しようとしているという情報を受け、この2隻を送り返したと明らかにした。
沿岸警備隊は3日未明、北部ランカウイ島のビーチに到着した船を発見。ロヒンギャ難民196人を拘束し、移民・難民収容センターに送った。
その後、さらに2隻の船がマレーシアに向かっているという情報を受け、沿岸警備隊がランカウイ島沖と周辺を捜索。約300人のロヒンギャを乗せた2隻の船を発見した。
当局によると、人々は疲れ果て、食料と水はほとんど残っていなかったという。
沿岸警備隊は声明で、「当局が2隻の船に食料や飲料水を提供し、領海から離れた地点まで護送した」と述べたが、船がどこに向かっていたかは明らかにしていない。
ミャンマー軍政による2017年の弾圧で殺害されたロヒンギャは1万3000人と推定され、少なくとも200の村が焼き払われ、100万人以上が国外退避を余儀なくされた。
バングラデシュのコックスバザール地区には100万人以上のロヒンギャが避難し、世界最大の難民キャンプを形成している。
バングラから海路で出国するロヒンギャのほとんどが仕事を求めてイスラム教徒の多いマレーシアを目指す。
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、昨年11月末時点でマレーシアが保護しているロヒンギャ難民は約11万1400人。同国の難民総数の6割を占めている。