◎事件は17日未明に発生。男はナタとみられる刃物で警察官1人を殺害、拳銃を奪い、それを使ってもう1人を殺害した。
マレーシア内務省は18日、南部ジョホール州の警察署で武装した男が警察官2人を殺害した事件について、「容疑者は引きこもりの単独犯である」という見方を示した。
事件は同州南部の町で17日未明に発生。男はナタとみられる刃物で警察官1人を殺害、拳銃を奪い、それを使ってもう1人を殺害した。
男はさらにもう1人を負傷させた後、射殺された。
警察は当初、「男は署から銃器を盗み出そうとした可能性がある」と発表していた。
内務省の報道官は18日の記者会見で、「初期捜査の結果、特定の組織によるテロの兆候はみられず、一匹狼の犯行とみられる」と語った。
警察は男の自宅を家宅捜索。アルカイダ系のイスラム地下組織ジェマ・イスラミア(JI)に関連する資料が見つかり、男の両親を含む家族7人を拘束した。
また警察は州内で活動するJIの構成員20人を追跡している。
シンガポール政府はこの事件を受け、ジョホール州への渡航を控えるよう国民に警告した。
警察は当初、男の年齢を34歳と発表していたが、21歳に訂正。前科はなかった。
それによると、男は隣人とあまり交流がなく、引きこもりがちだったという。動機は分かっておらず、警察が家族から話を聞いている。
JIは国際テロ組織アルカイダを信奉する過激派のひとつで、2000年代に大規模テロを多数実行した。米政府はこれをテロ組織に指定している。
2002年のインドネシア・バリ島爆弾テロ(202人死亡)もJIが起こしたものである。インドネシア当局はこれをテロ組織に指定、国内での活動を禁じ、摘発を続けている。