SHARE:

マレーシア、ネオジム磁石の製造施設建設へ、レアアース事業強化

ネオジム磁石はレアアースの一種であるネオジム(Nd)、鉄(Fe)、ホウ素(B)を主成分とする合金から作られる強力な永久磁石である。
マレーシアのレアアース鉱山(Getty Images/AFP通信)

マレーシアのアンワル(Anwar Ibrahim)首相は3日、中部パハン州に6億リンギット(約219億円)を投じてネオジム磁石の製造施設を建設し、同国のレアアース事業を強化すると表明した。国営メディアが報じた。

ネオジム磁石はレアアースの一種であるネオジム(Nd)、鉄(Fe)、ホウ素(B)を主成分とする合金から作られる強力な永久磁石である。

化学式は一般にNd₂Fe₁₄Bで表され、1980年代に住友特殊金属(現・日立金属)によって開発された。

現在では最も強力な磁石材料の一つとして、モーター、発電機、スピーカー、ハードディスク、MRI装置など、さまざまな分野で利用されている。

アンワル氏はこのプロジェクトについて、レアアースの処理を伴うため、貿易相が監視すると明らかにした。

またアンワル氏は「JSリンク(韓国)は既に土地を購入しており、操業を開始したいと考えているため、これはもはや覚書段階ではない」と説明。「投資が確定し、土地も準備も整っている」と述べた。

オーストラリアのライナス・レアアースと韓国のJSリンクは7月、パハン州クアンタン地区にあるライナスの先端工場近くに3000トンのネオジム磁石製造施設を建設する契約を締結した。

アンワル氏はこの協力関係がマレーシアの先端材料・クリーン技術分野を強化すると同時に、重要鉱物のサプライチェーン構築努力を支援すると述べた。

当局によると、マレーシアには約1610万トンのレアアース鉱床があるが、それらを採掘して処理する施設・技術が不足している。

この記事が気に入ったら
フォローしよう
最新情報をお届けします