◎予算規模は3864億リンギット(約11兆8900億円)
2023年2月24日/マレーシア、プトラジャヤの国会前、イブラヒム首相(中央)と政府関係者(AP通信)

マレーシア政府は24日、インフレに直面する人々を支援し、富裕層に課税する2023年度予算案を発表した。

イブラヒム(Anwar Ibrahim)首相は国会演説で、「多くの市民が生活費の高騰に苦しめられている」と語った。

予算規模は3864億リンギット(約11兆8900億円)。燃料やその他の補助金、貧困層・農家・産業界への支援は維持され、若者の失業対策や海外からの投資促進を目的とした新たな優遇措置も導入される予定だ。

政府報道官によると、所得税制も見直され、約240万人の中所得者層は減税。高所得者は増税となる。

イブラヒム氏は財務相も兼任している。政府は今年中に贅沢品税(奢侈税)を導入する計画で、キャピタルゲイン税も検討しているようだ。

開発費は昨年の716億リンギットを上回る970億リンギットを提案している。

イブラヒム氏は演説の中で「我が国は債務、世界経済の減速、外国投資の低迷など、多くの課題に直面している」と述べた。

またイブラヒム氏は2023年の経済成長率について、昨年のプラス8.7%から4.5%まで低下する可能性があると指摘。国債残高がGDPの80%、1兆5000億リンギットを超えたことに危機感を示し、財政を改善する必要があると訴えた。

イブラヒム氏は前政権がコロナ対応の際に国債を積み増し、入札なしで多くの大規模工事を発注したと批判した。

この工事入札は取り消しとなり、透明性を確保するために競争入札が行われることとなった。

イブラヒム氏は財政赤字を昨年のGDP比5.6%から今年は5%に縮小することを目指すとした。

イブラヒム氏は昨年11月の選挙後、連立政権を樹立した。今年は6つの州で選挙が予定されている。

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