韓国・光州で建設中の図書館が倒壊、1人死亡、3人行方不明
事故は11日の午後1時58分ごろに発生。図書館の新設工事現場で鉄骨やコンクリートの構造物が突然崩れ落ちた。
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韓国南西部の光州(こうしゅう)で建設中の図書館が倒壊し、1人が死亡、巻き込まれた作業員の救助活動が行われている。地元当局が11日、明らかにした。
それによると、事故は11日の午後1時58分ごろに発生。図書館の新設工事現場で鉄骨やコンクリートの構造物が突然崩れ落ちた。この事故で現場にいた作業員4人が下敷きになり、救助隊が1人を救出・病院に搬送したものの、死亡が確認された。また別の作業員の位置も特定され、救助作業が続いている。
残る2人についても行方を捜しているが、安否は明らかになっていない。救助当局はクレーンやドローン、サーマルカメラ、災害救助犬などを動員し、救出に全力を挙げている。
現地メディアによると、2階部分が崩落し、下階を押しつぶした可能性があるという。事故発生時は上階でコンクリート打設作業が行われており、これが崩落につながった可能性があると消防当局はみている。また、現場関係者によると、2階から1階に向けて屋根部分が落下した形跡があり、支えとなる支持材が不十分だったとの観測も出ている。
この図書館は地下2階・地上2階建てで延べ面積約1万1286平方メートル、総事業費は約516億ウォン(約54億円)の大型公共施設として建設が進められていた。2026年4月の開館を目指し工事が進行中であった。進捗率は現時点で70%と報告されている。事故により完成時期の遅れは避けられない見通しだ。
事故を受けて光州市は災害対策本部を設置し、市長ら行政当局が現場に駆け付け、救助体制の強化と迅速な対応を指示した。救助当局は夜間も作業を継続し、二次災害の懸念があるなかで行方不明者の捜索を続けている。また、消防車両や救急車も出動し、ほこりや残骸が散乱する中、救助隊員らが重機を使って慎重に捜索活動を展開している。
政治・市民団体からも反応が寄せられており、労働安全や建設現場の管理体制に関する懸念が強まっている。与党・共に民主党は現場に幹部を遣し、状況把握と安全対策の徹底を求めた。市民の間では衝撃や悲しみの声が広がり、事故原因の究明と再発防止策が求められている。
今回の事故は建設現場での安全管理や構造設計の適正性といった問題を浮き彫りにした。光州市は今後、事故原因の詳細調査を進めるとともに、救助活動の進展状況や安全対策の強化について関係当局と連携しながら対応を進める方針だ。
