◎韓国は自動車、電子機器、半導体などの主要生産国のひとつであり、今回のストは世界のサプライチェーンに影響を与えかねないと懸念されている。
2022年6月12日/韓国、光州で行われたトラック運転手の抗議デモ(Yonhap/ロイター通信)

韓国全土で展開されている運送業部門のストライキは7日目に入り、国内の主要自動車メーカーと鉄鋼メーカーに大打撃を与えている。

現地メディアによると、その影響は自動車大手ヒュンダイや鉄鋼大手ポスコを含む多くの企業に影響を与え、サプライチェーンを混乱させている。

燃料価格の高騰に直面しているトラック運転手たちは、年末に期限切れとなる最低賃金を保証する暫定規則の延長を政府に要求している。

韓国国家統計局によると、6月1日~10日の輸出量は去年の同じ期間と比べて13%減少した。

韓国は自動車、電子機器、半導体などの主要生産国のひとつであり、今回のストは世界のサプライチェーンに影響を与えかねないと懸念されている。

ヒュンダイの広報担当者は地元メディアのインタビューの中で、「南東部ウルサン市にある同社最大の製造工場の生産を部分的に中断している」と述べている。「同社はストの状況を注視しています...」

鉄鋼大手のポスコも倉庫に空きスペースがなくなったため、操業を一部停止したと発表している。

ポスコは公式ホームページの声明で、「一時停止の期間は未定」としている。

半導体大手SKハイニックスと電子機器大手のサムスンは声明を発表していない。

政府とトラック運転手の労働組合「全国運送産業労働組合貨物連帯」は6月7日から交渉を行っているとみられるが、合意には達していない。

韓国で活動するトラック運転手約42万人は自営業者と見なされている。

各地で座り込み抗議を行っている運転手たちの多くが賃上げと最低賃金保証を維持するよう求めている。この制度はコロナの感染拡大に伴い導入され、年末に期限を迎える。

韓国国土交通省は12日の声明で、「11日に組合代表者と物流を正常化する方法について8時間以上話し合ったが、合意には至らなかった」と述べた。

SPIアセット・マネジメントのアナリストはSNSに、「このストライキは韓国の輸出のボトルネックとなり、世界のインフレを悪化させる可能性がある」と投稿した。「韓国は巨大輸出国のひとつであり、このタイミングでの輸出停滞は世界に悪影響を与えるでしょう...」

韓国は半導体、スマートフォン、その他多くの電子機器や部品の供給国であり、これらの輸出が滞れば、世界のサプライチェーンにさらなる圧力をかけることになるだろう。

国家統計局が13日に公表したデータによると、6月1日~10日の輸出量は去年の同じ期間と比べて12.7%減少した。自動車の輸出は35%以上、無線通信機器の輸出は27%以上減少している。

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