◎韓国政府は現在、運送業界と最低賃金交渉を行っている。
韓国の警察当局は10日、南西部光州の路上でトラック運転手が最低賃金をめぐる抗議デモを路上で行い交通を妨害したとして、数十人を拘束したと発表した。
地元メディアによると、このトラック運転手たちは全国規模の運送業ストライキが勢いを失ったことに抗議したという。この全国ストは7日から始まった。
韓国政府は現在、運送業界と最低賃金交渉を行っている。
トラック運転手たちは燃料価格の高騰がこの業界で働く従業員に大打撃を与えているとして、2022年末に期限切れとなる最低賃金を保証する暫定規則の延長を政府に要求している。
韓国国土交通省によると、警察は路上で抗議したトラック運転手約30人を拘束したという。また、首都ソウル郊外の工場近くでも警察と運送部門の労働者が衝突し、少なくとも15人が公務執行妨害の疑いで拘束されたと伝えられている。
トラック運転手の労働組合「全国運送産業労働組合貨物連帯」はSNSに、「警察は10日夕方までに、全国で拘束したトラック運転手40人のうち29人を釈放した」と投稿している。
地元メディアは警察当局者の情報を引用し、「トラック運転手少なくとも9人が警察との乱闘で軽傷を負ったが、入院した人はいなかった」と報じている。
約7500人のトラック運転手が全国ストに参加し、政府に暫定規則の延長を要求している。
政府や経済界のリーダーたちは、このストが経済にさらなる負担をかけ、半導体などの主要輸出品の出荷を遅らせることで世界のサプライチェーンに打撃を与える可能性があると懸念している。
しかし、地元メディアによると、企業はストを見越して事前に輸出品を出荷していたため、混乱は限定的とみられる。
韓国国土交通省によると、港湾や主要な物流拠点におけるコンテナの稼働率は10日午後の時点で70.7%となり、通常値に戻ったという。
しかし、南部ウルサンと釜山の港では出荷に遅れが出ていると伝えられている。