北朝鮮・金正恩「核保有国としての地位は不可逆的」=国営メディア
キムは首都平壌で23日に開かれた最高人民会議の演説で、核戦力の強化を国家戦略の中核に据える方針を強調した。
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北朝鮮の金正恩(Kim Jong Un)党総書記は核保有国としての地位を「不可逆的に固定する」と宣言し、韓国を「最も敵対的な国家」と位置付ける強硬姿勢を改めて示した。国営朝鮮中央通信(KCNA)が24日に報じた。それによると、キムは首都平壌で23日に開かれた最高人民会議の演説で、核戦力の強化を国家戦略の中核に据える方針を強調した。
またキムは米国を「国家テロと侵略の主体」と非難し、中東情勢などを引き合いに出しながら反米陣営の結束強化に積極的に関与する考えを示した。一方で、米国との関係について「対立か共存かは相手の選択次第だ」と述べ、条件付きながらも外交の余地を完全には否定しなかった。
しかし、韓国に対しては姿勢を一段と硬化させた。キムは韓国を対話の相手とはみなさず、「最も敵対的な国家」と断定し、従来掲げてきた民族統一の理念からの決別を鮮明にした。北は憲法改正を通じて韓国を恒久的な敵と位置付ける動きを進め、南北関係は冷戦期に匹敵する緊張状態に戻りつつあると指摘されている。
またキムは核兵器が国家主権と安全保障を守る「不可欠な抑止力」であると強調し、非核化を前提とした交渉には一切応じない姿勢を改めて示した。これは過去の米朝協議が頓挫した経緯を踏まえたものであり、制裁解除や安全保障と引き換えに核を放棄する可能性を完全に否定した形である。
北は核・ミサイル開発を含む軍事力強化を国家の最重要項目に位置付け、2026年の国防費を大幅に増額したとされる。経済制裁や慢性的な物資不足に直面する中でも、軍事優先路線を維持する姿勢が鮮明になっている。
こうした強硬路線の背景には国際情勢の変化もある。北はロシアとの関係を強化し、軍事・経済面での協力を深めているとみられる。専門家はこうした外部支援が北の対米強硬姿勢を後押ししている可能性を指摘している。
一方で、キムは米国との対話の可能性を完全には排除していない。過去の首脳会談の経験も踏まえ、制裁緩和や体制保証を引き出すため、将来的に交渉に応じる余地を残しているとの見方もある。ただし、その前提として、北の核保有を既成事実として認めるよう求める姿勢は一層強まっている。
今回の演説は北が核保有国としての地位を固定化しつつ、対韓関係を根本的に再定義する転換点を示すものといえる。南北対話の再開は一掃困難となり、朝鮮半島情勢は長期的な緊張局面に入る可能性が高まっている。
