◎大党大会は労働党の最高意思決定機関であり、新政策の策定、過去のプロジェクトの見直し、党規則の改正、役人の異動などを話し合うと伝えられている。
◎アメリカの主要メディアは、「金正恩は恐らく核開発プログラムに関する肯定的なコミットメントを発表するだろう」と報じた。
1月5日、北朝鮮の金正恩は5年ぶりの大党大会を開催し、9年間の統治の実績を世界にアピールした。
韓国の専門家は、「金正恩はコロナ危機の混乱を隠すために大規模な大会をあえてこのタイミングで開催した」と指摘している。
北朝鮮の経済は、コロナウイルス感染拡大に伴う国境封鎖、台風による自然災害、そして核および大陸間弾道ミサイル開発に伴うアメリカ主導の厳しい制裁の影響でガタガタになったと伝えられている。
アメリカの主要メディアは、ジョー・バイデン次期大統領にメッセージを送っていると報じた。なお、バイデン氏は金正恩を「凶悪犯」と呼び、トランプ大統領が開催した米朝首脳会談を批判している。
今回5年ぶりに開催された第8回大党大会は労働党の最高意思決定機関であり、新政策の策定、過去のプロジェクトの見直し、党規則の改正、役人の異動などを話し合うと伝えられている。
金正恩の祖父、金日成(キム・イルソン)は1994年に亡くなるまでの間に計6回大党大会を開催した。しかし、権力を受け継いだ金正日(キム・ジョンイル)は一度も開催せず、韓国の専門家はジョンイルの「軍事優先」の政策が労働党の影響力を弱めたと指摘している。
金正恩は党の権威を高める一環として2016年に大党大会を復活させた。なお、今回の大会がいつまで続くかは明らかにされていない。
2020年、北朝鮮は国境封鎖の影響で中国との貿易量が激減し、11月までの実績は前年から約80%減少した。
また夏の台風と洪水の影響で作物、家屋、インフラは破壊され、1994~1998年の飢饉の再来を指摘する専門家もいる。
金正恩は昨年10月の労働者党75周年セレモニーの中で、経済への三重の打撃に耐えてくれた市民に感謝し、涙を流した。
金正恩:
「現在、この国はコロナウイルスへの対応、壊滅的な自然災害、そして長く厳しい制裁に直面し、すべてが不足している。そのような大きな課題と困難に直面しているのはこの国だけである...」
医療インフラの崩壊、深刻な貧困、食糧危機に直面する北朝鮮は、世界で最も厳しいコロナウイルス対策を実行し、感染者はひとりもいないと主張している。
北朝鮮の国営メディアは今回の大党大会について、「党の発展と社会主義建設を根本的に前進させるための新たな闘争と戦略的および戦術的政策について話し合い、決定することを意図している」と報じた。
アメリカの主要メディアは、「金正恩は恐らく核開発プログラムに関する肯定的なコミットメントを発表するだろう」と伝えた。なお、北朝鮮の国営メディアは以前、金正恩はバイデン氏を「狂犬病の犬」と呼んだと報じている。