◎国営の朝鮮中央通信社によると、金与正はジェイク・サリバン大統領補佐官の先日の声明を含むアメリカの対北朝鮮政策を厳しく非難したという。
北朝鮮の金正恩 党総書記の妹である金与正(キム・ヨジュン)は22日に公表された談話の中で、「アメリカをより大きな失望に陥れる」と述べ、現時点で交渉を再開する可能性はないと示唆した。
国営の朝鮮中央通信社によると、金与正はジェイク・サリバン大統領補佐官の先日の声明を含むアメリカの対北朝鮮政策を厳しく非難したという。「金与正(朝鮮労働党中央委員会宣伝扇動部)副部長はアメリカの談話を厳しく非難しました。金与正 副部長は、アメリカは朝鮮民主主義人民共和国との関係を自分の都合の良いように解釈しているようだと言いました...」
アメリカの主要メディアは、「金与正は北朝鮮問題に関する最高使節であるソン・キム特別代表が韓国を訪問していることを念頭に置き、声明を発表した可能性が高い」と報じた。
ソン・キム米特別代表は21日、アメリカ主導の北朝鮮制裁は継続されると述べたうえで、「北朝鮮から前向きな反応が返ってくることを望んでいる」と付け加えた。
金正恩は先週開催された労働党大会の中で当局に、バイデン政権の北朝鮮政策を分析し、国家の安全と尊厳を守るために、「対話と対立」の両方に備えるよう命じたと伝えらえている。
ただし、公表された金正恩の声明の中に、アメリカとソウルに対する厳しいコメントは含まれていなかった。一部の専門家は、「金正恩はアメリカにより強力な圧力をかけたいと考えている」と述べたが、別の専門家は「交渉再開の可能性を示唆している」と主張した。
一方、サリバン大統領補佐官はABCニュースのインタビューの中で、「北朝鮮の反応を待ちます」と述べた。「...あらゆる可能性を想定していますが、今は北朝鮮の反応を待っている段階です。彼らがもっと直接的なコミュニケーション(会談)を望むのであれば、対応できるかどうかを検討します」
金正恩は今年、「核抑止力を強化する」という脅迫めいたメッセージを世界に向けて発信し、アメリカの経済制裁と米韓合同訓練に言及したうえで、朝鮮半島の運命はアメリカが敵対的政策を放棄するかどうかにかかっていると主張した。
ジョー・バイデン大統領はトランプ政権の対北朝鮮政策「直接取引」とオバマ政権の「戦略的忍耐」の中間を採用すると示唆しているが、政策の詳細はまだ明らかにされていない。しかし、一部の専門家は、「バイデン大統領は北朝鮮が非核化に向けた具体的な措置を誓約しない限り、経済制裁の緩和には応じないだろう」と指摘している。
トランプ前大統領は北朝鮮の核開発および核ミサイル放棄を目的としたアメリカ主導の外交で金正恩との歴史的な首脳会談を実現させた。しかし、金正恩は核の部分的な放棄と引き換えに経済制裁の解除を要求し、トランプ前大統領の機嫌を損ね、両者の関係は破綻した。