◎金正恩は2021年1月に大党大会(国の最高意思決定機関)を開催すると伝えられている。
◎アナリスト「2021年以降もコロナウイルスによる市場の封鎖が続けば、北朝鮮の経済はさらに悪化する。数十万人を餓死させた1990年代の飢饉のような事態に陥る可能性もあるだろう」
2020年11月15日 AP通信/北朝鮮、金正恩

報道によると、北朝鮮は2021年1月に大党大会(国の最高意思決定機関)を開催する予定だという。

先日、アジアの独裁者はパンデミックの影響で公務を大幅に制限されていると報じられた。ただし、北朝鮮当局は厳格な国境封鎖でコロナウイルスの侵入を防いだと主張している。

韓国ソウルの統一研究院のアナリスト、ホン・ミン氏は大党大会について、「北朝鮮は経済発展に関連する議題をひとつも持っておらず、議会で提示できるものは何もない」と述べた。

ホン・ミン氏:
「コロナウイルスの感染拡大および国際的な制裁が続く限り、北朝鮮は国境を閉鎖し続ける。金正恩は現状を打破できず、突破口もない」

金正恩は友人と思っていたトランプ大統領に限られた非核化措置の見返りとして制裁緩和を要求した。しかし、トランプ大統領は要求に応じず、金正恩は国連制裁を「正面突破」で打ち負かすと宣言した。

2020年1月、コロナウイルスの出現に伴い、北朝鮮は最大の貿易相手国兼恩人である中国との国境封鎖を余儀なくされた。

結果、2020年1月~10月の中国との貿易量は前年から75%減少した。ホン・ミン氏は、「北朝鮮国内では原材料が不足し、工場の操業率は金正恩の就任(2011年)以来最低水準まで低下した。また、砂糖や調味料などの輸入食品の価格が4倍に上昇した」と述べた。

2018年6月12日 ロイター通信/シンガポール、セントーサ島のカペラホテル、首脳会談を終えたトランプ大統領と金正恩

ネットワーク・インフォメーション・サービス(NIS)が運営するシンクタンクのアナリスト、リム・スホ氏は、「北朝鮮はコロナ禍の市場に対する政府の統制を再確認したいと考えている可能性が高い」 述べた。

リム・スホ氏:
2021年以降もコロナウイルスによる市場の封鎖が続けば、北朝鮮の経済はさらに悪化する。数十万人を餓死させた1990年代の飢饉のような事態に陥る可能性もあるだろう」

金正恩は来月開催される議会で「北朝鮮の何か」を強化し、より自立した経済を構築するために「別の戦略」に移行する可能性が高いと伝えられている。

しかし、リム・スホ氏は報告書の中で、「コロナウイルスの影響が続く限り、北朝鮮はウイルス対策に焦点を合わせ、控えめな経済目標に落ち着かざるを得ない」と述べた。

北朝鮮はコロナウイルスの侵入を防ぎ、感染者はひとりもいないと主張しているが、外部の専門家はこの主張に懐疑的である。

韓国大学医学部のキム・シンゴン教授は、「北は感染者ゼロと主張している。しかし、彼らは感染予防対策を強化した」と述べた。

韓国当局は北朝鮮のコロナウイルス対策について、「感染したもしくは感染したと疑われる市民を隔離し、対象地域を次々に封鎖している可能性がある」と報告した。

金正恩は拒絶されたトランプ大統領の再選を望んでいたと伝えられている。トランプ大統領はかつて、金正恩と「ラブレター」を交換し、「私たちは恋に落ちた」と述べた。

今年、金正恩は53回公の場に姿を現し、弾道ミサイル試験の見学、台風の影響を受けた地域の視察、ハイレベルな会議などを主催した。なお、過去4年間の平均登場回数は103回だったという。

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