◎朝鮮中央通信社が最近公開した写真を見比べると、金正恩はかなりやせたように見える。
左は2021年2月8日の金正恩、右は2021年6月15日の金正恩/(朝鮮中央通信社/AP通信/韓国通信社)

北朝鮮の国営メディアによると、北朝鮮の国民は金正恩 党総書記の「やせ衰えた外見」に困惑し、心を痛めているという。

各国の主要メディアも金正恩のスリム化に注目していたが、国営メディアがこの話題に言及したのは初めて。

一部の専門家は、「金正恩はコロナウイルス、アメリカと国連の経済制裁および昨年の台風災害によって引き起こされた深刻な経済危機の改善に向け懸命に努力している、と国民にアピールしている」と指摘した。

朝鮮中央通信社は放送の中で麦わら帽子をかぶった男性のコメントを引用した。「北朝鮮の国民は党総書記のやせ衰えた姿を見て心を痛めています。この男性は、党総書記は国民のために24時間昼夜を問わず働いていますと涙を流しながら語りました...」

麦わら帽子の男性によると、「テレビを見た国民は皆、泣き崩れた」という。

朝鮮中央通信社が最近公開した写真を見比べると、金正恩はかなりやせたように見える。

韓国の監視当局者は金正恩のスリム化について、「以前の体重は140kg(身長170cm)ほどだったが、10~20kgやせた可能性がある」と述べた。

核開発を推進する金正恩の健康と後継者の問題は国際社会の注目を集めてきた。2014年、金正恩は公の場に40日間姿を見せず、重病もしくは死亡説が流れたが、足首の手術を受けていたことが明らかになり、その後公務に復帰した。

昨年も一時的に公の場から姿を消し、専門家は入院した可能性があると指摘したが、何事もなかったかのように復帰した。

「太り過ぎ」と指摘されている金正恩はかなりのヘビースモーカーで大酒飲みと考えられている。

ソウルの一部のアナリストは、「金正恩は健康問題を解消するためにダイエットしている可能性が高い」と指摘したが、他のアナリストは「病気による体重減も否定できない」と主張した。

第2代最高指導者の金正日(キム・ジョンイル)と北朝鮮を建国した金日成(キム・イルソン)は心臓の問題で死亡したと伝えられている。

アナリストたちは、金正恩は糖尿病や痛風などの病に苦しめられている可能性があると推測してきたが、国営メディアは金正恩の健康状態に関する声明を発表したことがないため、これらの推測の正否を確認することは不可能である。

金正恩は今年初めに開催された労働党大会と今月の会議の中で、コロナによる貿易減やアメリカ主導の経済制裁によって引き起こされた「史上最悪の危機」を克服するために、国民に団結するよう呼びかけた。

2019年6月/北朝鮮、大自然を颯爽と駆け抜ける金正恩(KCNA/KNS/AFP通信/Getty Images)
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