◎死者の数はさらに増える可能性がある。独立した地元のメディアおよびオンラインニュースを提供するビルマ民主の声(DVB)によると、死者は38人に達した可能性があるという。
AP通信と現地メディアのレポートによると、ミャンマーの治安部隊は3月3日の抗議活動に参加した市民を少なくとも33人殺害したという。これは2月1日の軍事クーデター以来最大の1日あたりの死者数であり、2月28日に国連人権高等弁護官事務所が報告した18人を大きく上回った。
ソーシャルメディアに投稿された動画では、治安部隊が抗議者にゴム弾を撃ち込み、追いかけまわし、救急隊を警棒で殴りつけている場面も確認された。
死者の数はさらに増える可能性がある。独立した地元のメディアおよびオンラインニュースを提供するビルマ民主の声(DVB)によると、死者は38人に達した可能性があるという。
アウンサンスーチー氏と国民民主連盟(NLD)の高官らを拘束したミャンマー軍は先月末から取り締まりを強化し、市民に銃を向けるようになった。
約50年軍事政権下に置かれていたミャンマーは、市民とアウンサンスーチー氏らの努力で完全な民主化への道をゆっくり進んでいたが、2月1日の軍事クーデターでその努力は水泡に帰した。
AFP通信とAP通信によると、地元メディアが報じた死者の情報の正誤を正確に確認することは困難だったという。
AP通信のデータアナリストによると、死者の数が最も多かった都市はヤンゴンで18人だったという。数千人の抗議者が集まったモンユワの中心部では8人の死亡が報告されている。また、第二の都市マンダレーは2人、マンダウェ地域のサリンも2人、南東部に位置するモーラミャイン、中部ミンジャンとカレーでそれぞれ1人が死亡した可能性がある。
VIDEO: About 300 people were detained during a crackdown on anti-coup protest in Tamwe Township in Yangon around 11:00 am on Wednesday. Some protesters were violently beaten up by police. #WhatsHappeningInMyanmar #Myanmarcoup https://t.co/EBuMrkg8iI
— Myanmar Now (@Myanmar_Now_Eng) March 3, 2021
治安部隊は取り締まりの一環として、ジャーナリストを含む何百人もの市民を逮捕した。2月27日には少なくとも8人のジャーナリストが逮捕されたと伝えられている。AP通信のジャーナリストは公安法に違反した罪で先日起訴され、最大3年の懲役刑を科される可能性があるという。
東南アジア諸国連合(ASEAN)を含む諸外国はミャンマーの危機を解決するための外交努力を続けているが、実行可能な選択肢は限られている。3日の虐殺が各国の行動を加速させるかどうかは明らかではない。
AP通信によると、国連安全保障理事会は3月5日に非公開の会議を開催する可能性があるという。当局者はAP通信に「イギリスが開催を要請した」と述べた。
ただし、安保理の常任理事国であるロシアと中国はほぼ確実に拒否権を行使するため、国連が何かしらの協調行動を取れる可能性は極めて低い。そのため、アメリカは単独で制裁を科しており、他国も新たな制裁を検討していると伝えられている。
ASEANは3月2日に外相オンライン会議を開催し、危機について話し合った。しかし、ミャンマーを含む10カ国はお互いの内政に干渉しないという考えを持っており、会議後の議長声明は「ミャンマー軍に暴力の平和的な解決に向けた話し合いを求める」だけにとどまった。
ミャンマー軍のミン・アウン・フライン司令官はASEANの声明を無視し、平和的に抗議する市民を殺害し続けている。