カザフスタンで憲法改正の是非問う国民投票、トカエフ大統領が主導
改憲案の大きな柱の一つは議会制度の見直しである。
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中央アジアのカザフスタンで15日、憲法改正案の是非を問う国民投票が実施された。改憲案は大統領権限を強化する内容を含んでおり、アナリストの間では現職大統領の権力基盤を一層強める可能性があるとの指摘が出ている。
国民投票はトカエフ(Kassym-Jomart Tokayev)大統領が主導・提案した改憲案をめぐって行われた。
改憲案の大きな柱の一つは議会制度の見直しである。現在の二院制議会を一院制へと統合することが盛り込まれ、政治制度の構造が大きく変わる可能性がある。また、副大統領職を復活させ、大統領が政府の主要ポストを任命できる権限を強化する内容も含まれている。
さらに、新憲法の下では「人民評議会」と呼ばれる新たな国家機関の設置も想定されている。この機関は立法の提案や国民投票の発議などを行う権限を持つが、構成員はすべて大統領が任命する仕組みとなる見通しで、政治権力が大統領に集中する可能性が指摘されている。
政治アナリストの間では、今回の改憲がトカエフ氏の長期政権につながる可能性についても議論されている。同国では現在、大統領の任期は7年で再選不可と定められており、トカエフ氏の任期は2029年までとなっている。しかし、新憲法の制定によって任期規定が事実上リセットされ、将来的に再び出馬する余地が生まれる可能性があるとの見方もある。
また、新憲法には社会的価値観に関する条項も盛り込まれている。結婚を「男性と女性の結合」と明確に定義する規定が提案され、近年政府が進めている保守的な社会政策の流れを反映したものとみられている。
カザフスタンでは2022年、燃料価格の高騰をきっかけとする大規模な抗議活動が全国に広がり、数百人が死亡する事態となった。政府はその後、政治改革を掲げて法改正などを進めてきたが、今回の新憲法については民主的な統治の強化よりも権力集中を進めるものだと批判する声もある。
一方、トカエフ氏は国際情勢が不安定化する中で国家の意思決定を迅速に行う体制が必要だと説明し、改憲の必要性を強調している。政府は今回の国民投票を国家の将来を決める重要な節目と位置づけ、その結果と今後の政治体制の行方に国内外の関心が集まっている。
