◎カザフは国内で消費する電力の大半を石炭火力で賄っており、原発は温室効果ガスの排出削減に役立つだろう。
カザフスタンで6日、国内初となる原子力発電所の建設の是非を問う国民投票が行われた。
トカエフ(Kassym-Jomart Tokayev)大統領は原発建設に意欲を示しているが、反対が賛成を上回れば、計画を白紙に戻すと約束している。
この原発は南東部の湖沿いに建設が計画されている。
カザフは国内で消費する電力の大半を石炭火力で賄っており、原発は温室効果ガスの排出削減に役立つだろう。
カザフは世界有数のウラン生産国である。推進派は原発建設を合理的な選択と考えている。
一方、反対派は旧ソ連時代にカザフが核実験の舞台のひとつになったとして、核物質の使用は避けたいと主張している。
核実験によって、北東部の広大な土地は居住不可能となり、この地域の環境は壊滅的な打撃を受け、周辺住民の健康にも影響を及ぼした。
カザフ・ソ連共和国は1949~89年にかけて、この実験場で合計456回核実験を実施。実験場は1991年8月に閉鎖された。
アナリストたちは原発建設の費用にも注目している。政府は費用を120億ドル(約1兆7800億円)と見積もっている。
反対派はロシア国営原子力企業ロスアトムが建設に参加する可能性があることにも懸念を示している。ロスアトムの他に、中国、韓国、フランスの企業が入札に参加する予定だ。
トカエフ氏はウクライナ戦争が始まって以来、ロシアへの支持を示さず、中立的な立場を取ってきた。
トカエフ氏は以前、この工事について、多国籍企業によるジョイントベンチャー(JV)を組織する可能性があると示唆していた。
選挙管理委員会は7日中に結果を公表する予定としている。