◎スイスはEUに加盟していないものの、EUの対ロシア制裁を全面的に支持している。
2022年4月18日/日本、東京の首相官邸、岸田首相とスイスのカシス大統領(Kimimasa Mayama/Pool/AP通信)

スイスのカシス大統領は18日、東京で岸田首相と会談し、対ロシア制裁を継続することで合意したが、伝統的な中立性を放棄したわけではないとくぎを刺した。

スイス外務省は会談後の声明で、カシス大統領と岸田首相はウクライナの市民に対する攻撃の責任をロシアに負わせることで合意したという。

岸田首相は会談の冒頭、「ロシアの侵略は欧州だけでなくアジアでも国際秩序の基盤を損なっている」と説明した。「今こそ国際社会がこれまで以上に団結する時です」

外相を兼任するカシス大統領は別の記者会見で、「スイスは戦争を強く非難し、ロシアに侵攻を直ちに停止するよう求める」と述べた。

スイスはEUに加盟していないものの、EUの対ロシア制裁を全面的に支持している。

カシス大統領は会見の中で、「スイスは先週、第5弾の対ロシア制裁を発動した」と述べる一方、「中立政策を放棄したわけではない」と強調した。「戦争物資の供給は中立とは言えません。軍事同盟に参加することも中立ではありません。自国の領土を利用して戦争に必要な物資を輸送したり飛行させたりすることも中立とは言えません。憲法にある我々の価値観に強く反する行為を非難することは中立と両立します」

一方、ロシアと様々な問題で対立している日本は、米国やEUと協調していち早くロシアに制裁を科した。

日本人は危険極まりない2つの大国(ロシアと中国)が領有権を主張して軍事行動を起こすのではないかと警戒している。日本海の向こうにはミサイルと核開発を推進する北朝鮮も控えている。

日本はオリガルヒを含む数百人のロシア人や企業の資産を凍結し、軍事利用される恐れのある商品の輸出や新たな投資を禁止した。また、ロシア産石炭の輸入を段階的に減らし停止する計画も発表している。

カシス大統領は記者団に、「日本の安全保障環境の厳しさについて、日本政府関係者との会談を通じて理解した」と述べた。

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