◎イランによるパキスタン領内への攻撃は前例がなく、中東地域の混乱に拍車をかける可能性がある。
パキスタン、南西部バルチスタン州の集落(Getty Images)

パキスタン政府は16日、隣国イランの革命防衛隊(IRGC)が南西部バルチスタン州を空爆し、子供2人が死亡、3人が負傷したと非難した。

イラン政府は同日、パキスタンに拠点を置くイスラム国(ISIS)系組織の基地を空爆したと発表。対テロ作戦を開始すると表明した。

イランによるパキスタン領内への攻撃は前例がなく、中東地域の混乱に拍車をかける可能性がある。

この空爆はイランによるイラクとシリアへの攻撃に続くものである。

ISISは今月初め、2020年1月の米軍によるドローン空爆で死亡したIRGCのソレイマニ(Qassim Soleimani)司令官の追悼式典で自爆テロを決行したと主張。このテロにより、少なくとも84人が死亡、284人が重軽傷を負った。

イラン政府はこれに激怒し、ISISを殲滅すると誓った。

国営イラン通信(IRNA)によると、パキスタンへの攻撃には弾道ミサイルとドローンが使われたという。

イラン政府はパキスタンに拠点を置くとされる過激派「ジャイシュ・アルアドル(Jaish al-Adl)」が複数の爆弾テロに関与したと主張している。

イランは国境地帯でこれらの過激派と戦ってきたが、パキスタン領にミサイルを撃ち込んだのは初めてとみられる。

ミサイルはバルチスタン州の山岳地帯に着弾したと伝えられている。

パキスタン外務省はこの空爆を最も厳しい言葉で非難すると声明を出した。

AP通信はパキスタンの治安当局者の話しとして、「イランの空爆はイラン国境から約50キロ離れたバルチスタン州の山岳地帯にあるモスクを破壊した」と伝えている。

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