◎武装勢力は10月16日、パプア州郊外にある金採掘施設の宿泊所を襲撃し、作業員7人を殺害した。
インドネシアの警察当局は28日、東部ニューギニア島・パプア州の金採掘施設に武装勢力が押し入った事件について、行方不明になっていた作業員6人の遺体を収容したと明らかにした。
武装勢力は10月16日、パプア州郊外にある金採掘施設の宿泊所を襲撃し、作業員7人を殺害した。
警察によると、襲撃から数時間後、陸軍・警察の合同部隊と宿泊所を占拠していた武装勢力との間で銃撃戦になったという。
事件後、反政府組織「自由パプア運動(OPM)」の軍事組織である「西パプア民族解放軍(TPNPB)」が犯行声明を出した。
合同部隊は宿泊所を奪還した後、ジャングルに逃げ込んだ作業員11人を保護。行方不明者の捜索を続けていた。
警察によると、捜索部隊は28日未明、現場から数キロ離れた川の近くで6人の遺体を発見・収容したという。
このうち2体は黒焦げで、残り4体には銃創と刺し傷があった。
TPNPBの報道官は事件後、SNSに声明を投稿。「我々の許可なく採掘を行った者たちを取り締まった」と主張した。
TPNPBはパプア州と西パプア州で働くすべての政府系労働者に対し、この地域から立ち去るよう警告した。「我々の土地で許可なく採掘を行ったり、建物を建てたりすることは許されません...」
インドネシア領パプア(旧オランダ領)はインドネシア本島とは民族的・文化的に大きく異なる。パプアは1961年にオランダから独立したものの、2年後にインドネシアの支配下に置かれた。
インドネシア政府は国連が主導した1969年の投票でパプアを編入。それ以来、パプア州と西パプア州では半世紀以上紛争が続いており、解決の見通しはまったく立っていない。
地元メディアによると、TPNPBなどのゲリラ勢力による攻撃はこの1年で急増し、数十人の治安部隊、ゲリラ戦闘員、民間人が死亡したという。
中央政府は何十年もの間、国民をパプアに定住させる政策を取ってきた。