インドネシア大統領、抗議デモ受け議員特権の廃止を約束
スビアント氏は8政党の党首らと会談後、記者会見で、議員の住宅手当の削減と海外出張の一時停止で合意したと発表した。
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インドネシアのスビアント(Prabowo Subianto)大統領は8月31日、全国的な抗議活動で6人が死亡したことを受け、国民の怒りを鎮めるため、国会議員の手当を削減すると約束した。
スビアント氏は8政党の党首らと会談後、記者会見で、議員の住宅手当の削減と海外出張の一時停止で合意したと発表した。
またスビアント氏は「9月1日までに、新たな一時停止措置により、議員に対する特定の手当が廃止され、海外出張が停止されることになる」と述べた。
インドネシアでは先週初め、議員の住宅手当に抗議するデモが各地で行われ、数千人のデモ参加者が機動隊と衝突。その後、バイク便の運転手が警察の装甲車にはねられ死亡する事件が発生し、暴動に拍車がかかった。
南スラウェシ州マカッサルではデモ隊が地方議会庁舎に放火。複数の死傷者が出た。
デモ隊は24年9月から下院議員580人が月額5000万ルピア(約45万円)の住宅手当を受け取っていたという最近の報告に怒りを爆発させた。
議員の住宅手当は人口の大多数を占める低中所得者層の月収の約20倍に相当する。
インドネシアの平均月収は地域や職種によって大きく異なるが、全体的には400万~500万ルピア(約3万〜4万円)である。首都ジャカルタなどの都市部では高くなる傾向がある。
議員の月収は6億~6.6億ルピアとされる。
スビアント氏は週末に緊急閣議を開き、訪中も中止した。
またスビアント氏は16人の宗教指導者や8人の著名な政治指導者とも面会し、この問題について話し合った。
議員への住宅手当は昨年導入された。
ジャカルタ当局は31日、デモ参加者と機動隊との衝突で21歳の大学生が死亡したことを確認したと発表。この暴動による死者数は6人に増加した。
スビアント氏は国民に冷静さを保つよう呼びかけ、「政府は常に国民と国家の利益のために働く決意だ」と強調した。