◎スマトラゾウは絶滅の危機に瀕しており、スマトラ島の個体数は700頭を下回っている。
2022年5月25日/インドネシア、スマトラ島のリアウ州、スマトラゾウの死骸(BKSDA/AP通信)

インドネシア当局は27日、スマトラ島リアウ州のヤシ農園近くで妊娠中のスマトラゾウが中毒死したと明らかにした。

スマトラゾウは絶滅の危機に瀕しており、スマトラ島の個体数は700頭を下回っている。

地元当局によると、死骸は地元の保護団体が25日のパトロール中に発見した。当局は死因を調べているが、初期調査によると、毒殺された可能性が高いという。

パトロールに参加した団体の責任者はAP通信の取材に対し、「ゾウは黒ずんだ血を吐き、倒れていた」と説明した。

死骸を発見したパトロール隊のひとりであるリアウ州天然資源保護局の担当者によると、ゾウの口と肛門から黒ずんだ血が出ていたという。

また担当者は、ゾウの胃からパイパップルが見つかったことも明らかにした。同保護局によると、この地域にパイナップルを栽培している農家はないという。

インドネシア森林環境省はスマトラ島のスマトラゾウ生息数について、2014年の約1300頭から昨年は693頭まで減少したと報告している。

スマトラ島ではパーム農園を拡張する取り組みが進められており、多くのゾウが行き場を失っている。

保護団体によると、ゾウはパームの実を食べてしまうため、しばしば農園管理者と衝突するという。リアウ州ではこの3年間で少なくとも7頭が殺されたと報告されている。

今回見つかったゾウの年齢は推定25歳、出産間近だった。当局は肝臓や胃のサンプルを採取した後、死骸を現場近くに埋葬し、花を手向けた。

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