▽インドネシアの麻薬取締法は世界で最も厳しく、この規模の麻薬密売に関与した者は高い確率で死刑に処される。
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インドネシア海軍がスマトラ島沖で4億2500万ドル(約620億円)相当の違法薬物を積んだ船を拿捕し、タイ人とミャンマー人4人を逮捕した。海軍が16日、明らかにした。
それによると、海軍の巡視艇は沖合でライトを消した不審な船を発見。この船は急旋回し、公海に逃げようとしたが、沿岸警備隊の巡視艇に逃げ道を塞がれ、拿捕された。
海軍の報道官は声明で、この摘発で末端価格4億2500万ドル相当のコカイン約1.2トンと覚せい剤705キログラムが入った黄色と白の袋を100個近く押収したと述べた。
インドネシアの麻薬取締法は世界で最も厳しく、この規模の麻薬密売に関与した者は高い確率で死刑に処される。
海軍によると、拿捕した船はタイの国旗を掲げていたという。逮捕された6人の身元は明らかになっておらず、薬物がどこで製造されたかも不明である。
海軍は声明の中で、「この麻薬がどこから来たのか、船がどこに向かっていたのかはまだ調査中である」と述べた。
国連薬物犯罪事務所(UNODC)によると、密売組織はタイを経由して東アジアと東南アジアに麻薬を送っているという。その多くがゴールデントライアングルで製造されたものだ。
ゴールデントライアングルはタイ、ミャンマー、ラオスの国境地帯の通称で、違法薬物製造・取引の拠点になっている。
東アジアと東南アジアでは2023年、過去最高となる190トンのメタンフェタミンが押収された。
ゴールデントライアングルの政情は不安定であり、多くの専門家がミャンマーの政変と内戦が麻薬の生産・密売増に拍車をかけていると指摘している。
この地域で生産される麻薬の取引額は年間800億~1000億ドルと推定されている。