◎当局は登山中に噴火に巻き込まれた登山者11人の死亡を確認。「遺体の収容は困難である」と報告している。
インドネシアの国家災害対策庁は4日、西スマトラ州のマラピ山における登山者12人の捜索活動を中断したと発表した。
マラピ山が3日午後に噴火。噴煙の高さは1万5000メートルに達し、数十キロ先で降灰が確認された。
当局は登山中に噴火に巻き込まれた登山者11人の死亡を確認。「遺体の収容は困難である」と報告している。
国家災害対策庁は声明で、「マラピ山は噴火活動を継続しており、火口近くで消息を絶ったとされる12人の捜索を中断した」と明らかにした。
また同庁は「現場の状況が改善され次第、捜索を再開したいと考えている」と述べた。
同庁が公開した動画には中腹の山小屋に避難した登山者を担架に乗せ下山する救助隊員の姿が映っていた。
インドネシア火山地質災害対策局(PVMBG)は火口から3キロ圏内を立ち入り禁止区域に指定し、周辺住民に避難を呼び掛けている。
警戒レベルは上から2番目に高い水準に引き上げられた。
報道によると、登山者少なくとも75人が2日に登山を開始し、噴火に遭遇。4日に52人が救助もしくは自力で下山した。
3日に救助された8人は火傷を負い、病院に搬送されたと伝えられている。
地元当局によると、75人は全員、麓にある事務所にオンラインで登山届を提出していたという。
国家災害対策庁は声明の中で、「登山届を提出していない登山者が噴火に巻き込まれた可能性も否定できない」と述べ、調査を進めていると強調した。
地元メディアによると、警察は麓の駐車場や公共交通機関で登山者に関する情報提供を求めている。