◎ジェマ・イスラミアは国際テロ組織アルカイダを信奉する過激派のひとつで、2000年代に大規模テロを多数実行した。
インドネシアの警察当局は13日、アルカイダ系のイスラム地下組織「ジェマ・イスラミア(JI)」とつながりのある男2人を射殺したと発表した。
スマトラ島の南端に位置するランプン州の対テロユニットの広報担当は記者会見で、「JIとの関係を疑われる男2人は特殊部隊との銃撃戦の末、死亡した」と語った。
それによると、この銃撃戦で隊員1人が重傷を負い、医療機関に搬送されたという。
広報担当は「JIが新メンバーを募集・訓練しているという情報を受け、取り締まりを決行した」と説明した。
JIは国際テロ組織アルカイダを信奉する過激派のひとつで、2000年代に大規模テロを多数実行した。米政府もこれをテロ組織に指定している。
州警察によると、射殺された2人は2002年のバリ島爆弾テロ(202人死亡)に関する情報を隠した罪で昨年有罪判決を受けた容疑者を匿っていたという。
また2人はJIの主要メンバーとされる別の受刑者を匿っていたとして捜査の対象になっていたようだ。この受刑者は2005年の爆弾テロを主導したとして、昨年終身刑を言い渡された。
州警察によると、対テロユニットはランプン州における別の捜査でJIの戦闘員4人を逮捕し、M16ライフル、手作り銃、ナタを押収したという。
広報担当は「特殊部隊は別の容疑者を追跡している」と述べたが、それ以上の詳細は捜査に影響が出るとして明らかにしなかった。
インドネシア政府は2008年にJIをテロ組織に指定。米豪の支援を受ける対テロユニットは10年以上に渡る広範な取り締まりでJIを弱体化させることに成功した。
インドネシアにおける外国人を狙ったイスラム過激派のテロ攻撃はこの10年でイスラム国(ISIS)系組織の戦術に変容した。過激派は現在、攻撃の対象を民間人から警察や治安部隊にシフトしている。
インドネシア警察は過激派を逮捕せず、その場で射殺する方針を取り、批判を浴びてきた。