◎ジョコ・ウィドド大統領は1日、調査が終了するまでトップリーグの全試合を中止するよう命じた。
インドネシアの警察当局は1日、東ジャワ州マランのカンジュルハン・スタジアムで暴動と群衆事故が発生し、少なくとも129人が死亡したと発表した。当局は負傷者を180人と報告している。
このスタジアムのホームチームはトップリーグ(1部)のアレマFC。
アレマFCのサポーターはライバルチームのペルセバヤ・スラバヤに2ー3で敗れたことに激怒し、ピッチになだれ込んだ。アレマFCがペルセバヤ・スラバヤにホームで負けたのは20年以上ぶりだという。
警察は暴徒化したサポーターを食い止めようとしたが失敗。混乱を収めるために催涙ガスを使用した。報道によると、観戦者数はスタジアムの収容人数を約4000人上回り、超満員状態だったという。
ジョコ・ウィドド(Joko Widodo)大統領は1日、調査が終了するまでトップリーグの全試合を中止するよう命じた。
SNSに投稿された動画には、試合終了のホイッスルの後、サポーターがピッチに押し寄せるところが映っていた。
東ジャワ警察のアフィンタ(Nico Afinta)署長によると、催涙ガス弾発射後、多くのサポーターがピッチの出口に殺到し、群衆事故に発展したという。34人がスタジアム内で、残りは医療機関で死亡した。地元メディアは警察筋の話を引用し、「犠牲者の多くが窒息死した」と報じている。
アフィンタ氏は対応に当たった警察官2人が死亡したと説明した。死因は不明。
報道によると、ピッチになだれ込んだサポーターは3000人ほどで、残りの約4万人は観客席にとどまったという。
サポーターたちは催涙ガス弾を撃ち込まれたことでパニックになり、出口に殺到したとみられる。
SNSの動画には柵を乗り越えて脱出を試みるサポーターの姿も映っていた。
国際サッカー連盟(FIFA)は試合会場で群衆を統制するためにガスを携帯したり、使用したりしてはならないと定めている。
インドネシアサッカー協会(PSSI)は徹底調査を約束した。
インドネシアのプロリーグで乱闘は珍しくなく、アレマFCとペルセバヤ・スラバヤのサポーターは場外で何度も衝突しているようだ。
政府報道官によると、この試合のチケットは4万2000枚売れ、スタジアムの収容人数3万8000人を4000も上回っていたという。
ジョコ大統領は調査完了までトップリーグに全試合を中止するよう命じた。
サッカースタジアムでは数十年に一度、大きな群衆事故が発生している。
ペルーの首都リマで1964年に行われたペルー対アルゼンチンの五輪予選では約320人が死亡、1000人以上が負傷した。
1989年にはイングランドのサッカースタジアムでリバプールFCサポーター97人が圧死した。