◎動物保護機関の責任者であるアグス・アリアント氏は記者団に対し、「3頭は南アチェ県の保護地域に指定されている密林の中で死んだ」と述べた。
インドネシアの現地メディアによると、密猟者が仕掛けたと思われるワナに引っかかった絶滅危惧種のスマトラトラ3頭が死んでいるのが発見されたという。
動物保護機関の責任者であるアグス・アリアント氏は記者団に対し、「3頭は南アチェ県の保護地域に指定されている密林の中で死んだ」と述べた。3頭はメス2頭とオス1頭で、家族だったと思われる。
死体と現地の状況を調査した当局者によると、オスは2頭から約5m離れた位置で力尽きていたという。また、3頭はワナに引っかかったことで傷を負い、感染症で死亡したことが調査で明らかになった。
アリアント氏は、付近でイノシシを捕獲する際に使用するワナと同じタイプのワナを発見したと述べた。「当局は保護地域にイノシシのワナを仕掛けたことはありません。発見したワナはスマトラトラを狙う密漁者が設置した可能性があります...」
アリアント氏は法執行機関と連携して調査を進めると述べた。
国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストによると、スマトラトラは絶滅寸前に分類され、野生の個体数は400頭未満と推定されているという。インドネシアのジャングルは開発の影響で縮小しており、その過程で多くのスマトラトラが密漁された。
一方、スマトラ島の当局者によると、コロナウイルスの影響で経済的に追い詰められた一部の島民がスマトラトラを密猟し、利益を得ているという。
南アチェ県では先月初めにもメスのスマトラトラ1頭が密林で罠にひっかかり死んだ。
密猟者に狙われている動物はスマトラトラだけではない。
地元メディアによると、先月11日に東アチェ県のヤシ農園で頭を切り落とされたゾウの死体が発見されたという。警察は象牙の密売目的でゾウを殺した密猟者4人を逮捕した。
南アチェ県の警察は6月、密林にワナを仕掛けてスマトラトラを殺し、死体を1億ルピア(約76万円)で売却した密猟者4人を逮捕した。この事件から数日後、北スマトラ州で毒物入りの山羊肉を食べたスマトラトラ1頭が死んだと伝えられている。