◎インドは「レイプ大国」と呼ばれるほどレイプ事件が後を絶たず、2020年にカースト制の最下層「ダリット」の女性が集団レイプされ死亡した事件は全国規模の抗議デモに発展した。
2024年8月27日/インド、西ベンガル州コルカタ、政府に抗議するデモ隊(AP通信)

インド・西ベンガル州コルカタで27日、国立病院の女性研修医が性的暴行を受け殺害された事件に抗議するデモが暴動に発展し、機動隊が放水砲と催涙ガス弾を使って暴徒を解散させた。

同州では少数派であるモディ(Narendra Modi)首相のインド人民党(BJP)の支持者たちは州政府に解散を要求し、市中心部の議会議事堂近くまで行進した。

コルカタの大学病院で働く31歳の女性研修医は今月9日、キャンパス内で亡くなっている状態で発見された。

警察はその後、ボランティアで大学の警備を行っていた男が女性をレイプし、殺害したとして逮捕した。

それ以来、各地でこの事件に抗議するデモが続いている。

西ベンガル州政府は市中心部での抗議デモを禁じ、主要道路を封鎖しているが、デモ隊はこれを無視し、デモを続けている。

現地メディアによると、機動隊は放水砲と催涙ガスで抗議者を押し戻すことに成功したという。

警察はその後、デモ隊を煽ったとして、4人の学生活動家を逮捕したと発表。「いかなる理由があろうと、暴力は許さない」と警告した。

最高裁判所は先週、職場における医療従事者の安全について勧告を行うため、医師からなる全国タスクフォースを設置した。

最高裁は声明で、「このタスクフォースは全国の医療従事者を保護するためのガイドラインを作成する」と述べた。

検視の結果、女性研修医は性的暴行を受けていたことが確認された。

それ以来、数千人の医師や医療従事者が職場を去り、より安全な労働環境を要求するようになった。このストにより、数万人の患者が影響を受けている。

インドは「レイプ大国」と呼ばれるほどレイプ事件が後を絶たず、2020年にカースト制の最下層「ダリット」の女性が集団レイプされ死亡した事件は全国規模の抗議デモに発展した。

国家犯罪記録局(NCRB)によると、2022年に全国で確認されたレイプ事件は3万1516件、21年から20%増加したという。これは認知された件数であり、実際はもっと多いと推定されている。

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