インド政府、ニューデリー自動車爆発事件を「テロ攻撃」と断定
爆発は世界遺産の古城「レッドフォート」の地下鉄駅のゲート付近で10日夜に発生。爆発物を積んだ乗用車が爆発し、少なくとも8人が死亡、複数人が病院に搬送された。
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インド政府は12日、首都ニューデリーで発生した自爆テロについて、「反政府勢力によるテロ攻撃」と断定したが、事件に関する証拠は示さなかった。
爆発は世界遺産の古城「レッドフォート」の地下鉄駅のゲート付近で10日夜に発生。爆発物を積んだ乗用車が爆発し、少なくとも8人が死亡、複数人が病院に搬送された。
当局はパキスタンとの係争地カシミール地方で2人の医師を含む少なくとも7人を逮捕したと報告している。
一方、警察はニューデリーと隣接するハリヤナ州でも武器や爆弾の材料を押収したと発表。複数人が拘束されたという情報もある。
地元テレビ局は警察がこの家宅捜索により、硝酸アンモニウム360キログラム、アサルトライフル、拳銃を押収したと報じている。
ニューデリーで爆発した車は硝酸アンモニウムを積んでいたとされる。
この車を運転していたのはカシミール地方出身の男性医師と特定された。
当局は組織の詳細やパキスタン側の関与について言及していない。
モディ政権は12日遅くの閣議後、この事件を「反政府勢力による凶悪なテロ事件」と断定した。
インドの宿敵パキスタンの首都イスラマバードでも地方裁判所近くで自爆テロが発生し、12人が死亡、27人が病院に搬送された。
パキスタン最大のイスラム過激派TTP(パキスタンのタリバン運動)の分派が犯行声明を出している。
ナクヴィ(Mohsin Naqvi)内相は11日の記者会見でこのテロについて、「TTPと関係のあるインドが支援する反乱分子とアフガン・タリバンの代理人によって実行された」と主張した。
インドはこの主張を否定。「パキスタンが偽情報を拡散している」と非難した。
一部の専門家はこの自爆テロにより、両国の緊張が再び高まり、紛争に発展する可能性もあると警告している。
インドとパキスタンはそれぞれカシミールの一部を管理している。この係争地をめぐる領有権争いが解決する目途は立っていない。
インドのジャンムー・カシミール州では4月、正体不明の武装集団が観光客に向けて発砲し、26人が死亡、17人が負傷した。その多くがインド人であった。
この事件後、インドとパキスタンの境界で戦闘が発生。本格的な戦争に発展する恐れもあったが、両国は5月10日、米国の仲介を受け、完全かつ即時の停戦に合意した。
