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インドの「たばこ増税」で関連株が急落、市場に衝撃

今回の税制変更では、紙巻きたばこに対して1000本当たり2050~8500ルピー(約3575~1万4800円)の物品税を課すことが決定された。
紙巻きたばこ(Getty Images)

インド政府が2026年2月1日付でたばこ製品、特にたばこ製造品である「シガレット(cigarettes)」に対して新たな物品税を課すと発表したことを受け、インドの主要たばこ関連企業の株価が急落した。現地メディアによると、主要たばこメーカーITCは1月1日の取引で9.2%安となり、約6年ぶりの大幅安を記録した。また、マールボロを取り扱うゴドフリー・フィリップス・インディアの株価は14.1%急落し、2016年以来の大幅下落となった。

今回の税制変更では、紙巻きたばこに対して1000本当たり2050~8500ルピー(約3575~1万4800円)の物品税を課すことが決定された。この税率はたばこの長さに応じて異なるもので、2月1日以降に施行される。この物品税は既存の40%の物品サービス税(GST)に加算される形になるため、たばこ製品の価格構造に大きな影響を与える可能性がある。政府は喫煙による健康被害を抑制し、医療費負担などの社会的コストを軽減する狙いで増税を進めている。

市場関係者やアナリストは、今回の増税がたばこ企業の利益率と販売数量にネガティブな影響を与えるとの見方を示している。あるアナリストは、物品税の引き上げが販売ボリュームに悪影響を及ぼす可能性を指摘し、たばこ製品が非正規市場に流入するリスクも高まると警告している。さらにICICIセキュリティーズの分析によると、特に75〜85ミリメートルの中・長尺たばこ製品では、全体コストが22〜28%増加する可能性があるとしている。このタイプのたばこはITC全体の販売量の約16%を占め、価格が1本あたり2〜3ルピー程度の上昇につながる可能性があるという見方が出ている。

インドは世界で最も人口が多い国であり、喫煙者は1億人に上るとされる。そのため、価格抵抗力や消費者の嗜好変化がたばこ市場の動向に大きく影響する。たばこ製品の価格上昇は消費抑制につながるとの期待もあるが、一方で価格敏感な消費者の間では非正規製品へのシフトや低価格帯製品への移行が進む懸念も指摘されている。

インド政府はこれまでも健康警告表示の強化や定期的な税率見直しを進めており、今回の措置もその一環と位置付けられている。一方、企業側は増税が収益と市場シェアに与える影響を注視している。今後の株価動向や消費者行動の変化が投資家の関心を集めている。

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