▽犯行声明を出した組織は確認されていない。
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インドとパキスタンの係争地カシミール地方で発生したテロ攻撃について、州警察は23日、全域の警備を強化したと発表した。
事件はジャンムー・カシミール州近郊の山岳地帯にある観光地で22日に発生。正体不明の武装集団が観光客に向けて発砲し、26人が死亡、17人が負傷した。
犯行声明を出した組織は確認されていない。
政府はこの地域に陸軍を派遣し、容疑者を追跡している。
警察も捜査に乗り出す中、カシミール地方の宗教団体や政党が事件に抗議するよう呼びかけ、多くの商店や企業が休業した。
数万人の武装警察と兵士がカシミール全土に展開し、検問所を増設。地元メディアによると、警察はイスラム過激派とのつながりが疑われる数人に出頭を求めたという。
警察はこれを「テロ攻撃」と呼び、カシミールの分離独立を目指すイスラム勢力が関与していると非難した。
モディ(Narendra Modi)首相は事件を受け、2日間のサウジアラビア訪問を中止。23日未明に首都ニューデリーに戻った。
当局によると、死亡した26人のうち24人はインド人観光客、1人はネパール人、1人は地元の観光ガイドだった。
インドとパキスタンはそれぞれカシミールの一部を管理している。この係争地をめぐる領有権争いが解決する目途は立っていない。
カシミールでは24年9月末頃から暴力事件が急増し、多くの市民が爆弾テロや銃撃戦に巻き込まれている。
カシミールの反政府勢力は1989年の武装蜂起以来、中央政府と戦ってきた。カシミールで生活するイスラム教徒の多くがパキスタンへの編入か独立という反政府勢力の目標を支持している。
インドとパキスタンは1947年の独立時、65年、71年の計3回、この境界線を巡って衝突(印パ戦争)している。
インド政府は2019年、「歴史的大失態」の是正として、70年間に渡って認めてきたジャンムー・カシミール州の自治権を剥奪した。